さようなら、長老殿下

三笠宮崇仁親王殿下が薨去された。皇族最高齢の100歳。お歳を
考えれば仕方ないのだろうけれど、やはり寂しいね。

先の大戦中に軍人として南京に赴かれた経験もあり、その際の軍紀
乱れを総司令部に進言したり、戦後には戦争自体を反省し、自らも身を
置いた日本軍への批判も展開。

また、歴史学者の視点から紀元節復活の兆しが見えると、神武天皇
即位は史実ではなく神話であると反対した(←ここ、よく考えてね。三原
じゅん子センセイ)。

右寄りの人たちからは「赤い宮様」とも呼ばれたけれど、私はこのような
長老殿下のはっきりとした言い方が好きだったわ。

太平洋戦争の敗戦間際、ポツダム宣言受諾を撤回するよう昭和天皇
説得してくれと訪れた阿南陸相の申し出をきっぱりお断りしているのも
長老殿下なんだよね。

激動の昭和史の生き証人でもあった長老殿下。古代オリエント史の研究者
でもあった長老殿下。もっともっと知っていることをお話しなさって欲しかった。

あちらでは先に旅立ってしまった3人のお子様がお出迎えして下さるでしょう。
どうぞ、安らかにお眠り下さい。ご冥福をお祈り申し上げます。

引き続き『トランプ』(ワシントン・ポスト取材班/マイケル・クラニッシュ/マーク・
フィッシャー 文藝春秋)を読む。

大統領選で移民がどうたらこうたら言っているトランプ氏だけれど、結局は
自身も移民の子孫なんだよな。最初の奥さんも今の奥さんも移民だっけ。