重要なのは何か

17日夜に発生したニューヨークでの爆発事件の容疑者が、銃撃戦
の末に逮捕された。アフガニスタン出身の男性だと言う。

この容疑者逮捕の報道なのだが、確か今日の昼頃のニュースでは
家族が経営するレストランが「ムスリムだから」との理由で嫌がらせを
受けていたとの内容だった。

それなのに、夕方のニュースではアフガニスタンパキスタンへの
渡航歴のみが伝えられた。そうして「イスラム過激思想の影響を受け
た可能性がある」…と。

レストランへの嫌がらせがあったとの内容は何か都合が悪いのか?
過激主義に感化されたとなれば、そこには原因があると思うのだが。
そこは重要じゃないのか?

フランスではムスリムの女性の全身を覆う水着が嫌悪の対象に
なってるという。ニースでのトラック暴走の犠牲者の中にはムスリム
の女性もいた。その遺族に「お前らのひとりが死んでよかった」との
言葉を投げつける人がいるという。

十字軍の昔と変わっていないではないかと思うことがしばしばある。
十字軍の時代だって、異教徒だというだけでムスリムたちはキリスト
教徒たちに攻撃をしかけたのではなかったのだもの。

今回のニューヨーク爆発事件の容疑者が、銃撃戦で殺されなくて
よかったと思う。この男性が本当に犯行に係わっていたとしたならば、
その背景をきちんと解明して欲しいと思うんだ。

『書店と民主主義 言論のアリーナのために』(福島聡 人文書院)を
読み始める。

大手新刊書店チェーンの店長による、本と本屋にまつわるエッセイ。