食べて行くためか、表現欲求か

稲田防衛相は自衛隊に「かけつけ警護」の訓練を行うと発表した。
遂に日本の自衛隊が他国の人に銃を向けるようになるのか。

毎年8月15日には靖国参拝をしていた稲田センセイ。今年は防衛相
としての参拝はまずいと思ったのか、行かなくてもいいジブチへ逃走
してたっけな。

やっぱり費用は国費だよね。「日本にいなかったので参拝出来ません
でした」の言い訳作りに税金を使えるのか。いいなぁ〜。

『ジャンクビジネス』(田中映次/大寺明 早月堂書房)読了。

職安に行っても仕事がない。ホームレスだけれどその日を暮らす為
のお金が必要。本業では出来ない表現をしたい。

理由は様々だが既存の職業カテゴリーから逸脱したジャンクビジネス
を集めたのが本書なのだけれど、期待した内容とは少々違った。

前半は「こんな商売はいかが?必要なものはコレコレで、費用はこれ
くらい」みたいな提案の章と過去に存在した隙間産業の章とで構成され
ており、実際に路上で商売をしている人を取材した章は後半のみ。

仕事の提案の章は文章が硬すぎる気がした。せっぱつまって元手を
掛けずに稼ごうとしたらふざけている余裕はないだろうけれど、もう
少しくだけた文章でもいいのではないかな。

今では絶滅したであろう隙間産業の章はノスタルジーたっぷり。子供の
頃に見掛けたな…なんて商売もあったけれど、書き手の自己満足って
感じだった。

そして、実際の取材の章。ここが一番の読みどころなんだろうな。路上
での商売と言えばアクサセリー売りだとか、似顔絵書きとか思いつく
のだけれど、道行く人をぱっと見て思いつく言葉を書く「言葉屋」が
興味深かったくらい。

本業を持ちながら休日などに自作のアートを路上で売るのは「ジャンク
ビジネス」に含めちゃっていいのだろうか。こういう人たちってそれだけ
で生活を成り立たせているのではないよね。

本書は2005年発行で少々古いので、登場した路上商売の人たちが
現在どうしているのかの方が気になる。

尚、前半で紹介されている「こんな商売どう?」は、いわゆる「便利屋」
さんがやっていそうな気もするんだけどね。

あ、自動販売機の返却口チェッカーなんて子供の頃、多くの人が一度
はやってないかな。私はやった記憶があるぞ。

しかしね、「ジャンクビジネス」ってネーミングは気になるんだ。いい印象
はないよね。仕事は仕事、職業に貴賤はないと思うんだけどね。

人間、生きて行こうと思ったらきっとどんなことでも思いつくのだろうな。
それと趣味での路上商売とを一緒にしてはいけない気がする。