101歳の遺言

「負け戦を勝ち戦のように報じて国民を裏切ったけじめをつける」

先の大戦大本営発表を垂れ流し、国民の戦意高揚を煽った日本の
大新聞。そのなかにあって、事実を国民に伝えなかった責任を取り、
終戦の日朝日新聞を退社した記者がいた。

むのたけじ氏。近年は100歳のジャーナリストとしてメディアが取り上げ
ることも多かった。その、むの氏が亡くなった。享年101。

30歳で朝日新聞を去ってから71年。「戦争廃絶」を訴え、言論の在り方を
語って来た人だった。

むの氏の講演や書いたものからは学ぶことが多かった。でも、もう教えて
もらえない。

今年の憲法集会でスピーチしていた姿を見たが、まさかこんなにあっけなく
逝ってしまわれるなんてなぁ。

日本国憲法があったおかげで戦後71年間、日本人は1人も戦死せず、
相手も戦死させなかった」

むの氏が憲法集会で語った言葉だ。この言葉を忘れずにいたい。そして、
ご冥福を祈る。合掌。

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