今すぐにでもフィンランドに行きたい

公明党の山口代表は7月の参院選に対して「改憲は争点にならない」
と言っているらしい。

そうだよね、争点にはしないよね。争点にはせずに秋の通常国会
はじまったら、しれっと出してくるんだよね。前回の戦争法案と同じ
ようにさ。

何度でも言う。アホノミクスは破綻してます。

『わたしのマトカ』(片桐はいり 幻冬舎文庫)読了。

小林聡美もたいまさこ片桐はいり。私の大好きな女優さんたち。
2006年公開の映画「かもめ食堂」にこの3人が勢揃いした。私に
とってはあまりに豪華キャスト過ぎて未だに観ていない。

観たいんだ。とっても観たいんだ。でも、観てしまったら楽しみが
ひとつ減ってしまうような気がする。だから、もうしばらく観ないで
おこう。

映画は観ていないが、この映画の撮影でフィンランドに行った時の
滞在記が本書だ。

本書が初エッセイなのだそうだけれど、こりゃたまげた。うまいん
だわ、文章が。

先日読み終わった梨木香歩エストニア紀行』が非常に残念だった
反動もあるのだろうけれど、読みながら「そうよ、旅といったらこういう
文章なのよっ!」とひたすら感動してしまった。

市場でバケツ売りしているサヤエンドウとイチゴの描写なんて、
口の中にその味が広がっている錯覚に陥ったもの。生のさや
えんどうの青い香り、日本のものよりも小粒で不揃いなイチゴ
をスプーンですくって口いっぱいに頬張る。やってみないじゃ
ないのっ。

腹に響く重低音に誘われ、出かけて行ったクラブ(綺麗なお姉さん
が隣でお酒を作ってくれる方じゃない方)で、日本人だと分かって
次々に話しかけて来るフィンランドたち。そして、それをかわして
踊りたいはいりさん。

あぁ、クラブでガンガン踊るはいりさんの姿が私の脳内を駈け廻る。

撮影終了後に映画のコーディネータの紹介で訪れた農場で過ごす
1泊2日の体験も素敵だった。

「ささいな理不尽にいちいちめくじらを立てて、小さな復讐をくりかえ
すよりも、もっと上等な武器を手に入れたような気がした。余裕、
という武器。思えば今まで、なんて前のめりに暮らしていたものか。
都会で生きてくストレスなんて、この武器を使えば、ほとんど取るに
足らないものなのかもしれない。」

シャイで、おおらかで、せかせかいしないフィンランドの人々。昔、
わずか1日ヘルシンキにいただけで、「ここは日本とは違う時間が
流れているんじゃないか」と思ったものだ。

はいりさんが好き、そして北欧好きとしては今すぐフィンランド
行きたくなったよ。

尚、タイトルにある「マトカ」はフィンランド語で「旅」のこと。はいり
さんは海外へ行く時、空港で安い腕時計を買って、帰国後は電池
がなくなるまで放っておくそうだ。帰国してもその腕時計は各国の
時間を刻んでいるっていいなぁ。