福岡県が誇る規格外の人々

週2回以上の発行で宅配の新聞は軽減税率の対象だってね。
聖教新聞の為かしらね?

雑誌・書籍は有害なものを対象にするかでまだ決まってないと
言っていたが、「有害なもの」って児童ポルノとかかな。それとも
安倍政権を批判するものかな?

『近世快人伝 頭山満から父杉山茂丸まで』(夢野久作 文春
学藝ライブラリー)読了。

ドグラ・マグラ』をはじめ、夢野久作の小説はいろいろと読んだ。作品は
概ね怪奇的で幻想的で、摩訶不思議な世界に誘ってくれた。

ドグラ・マグラ』なんて初めて読んだ時はさっぱり分からず、何度目か
の挑戦でやっと作品の面白さが理解出来た。

そんな夢野久作の手になる人物評伝が本書である。評伝と言っても
取り上げられているのは維新後に頭角を現して来た福岡県出身の
豪傑たちだ。

そう、福岡県は夢野久作自身の故郷である。西日本の雄でありながら
も、薩長土肥のように活躍の場がなかった福岡県(黒田藩)。

しかし、その土地からは個人としてはトンデモナイ人物を輩出した。
代表は玄洋社総帥であった頭山満だろう。

本書では玄洋社頭山満に連なった人々を取り上げてるのだが、
その中には夢野久作の父親である杉山茂丸もいた。

父である杉山茂丸は勿論のこと、頭山満にも面識があり直接話を
聞いている夢野久作ならではの評伝だ。

小説の文章とは異なり、講談か落語の語り口のような文章なので、
これは文字で読むより落語家とか弁士のような人に朗読してもらった
ら面白いかも。

それにしても頭山満である。高知に自由民権を唱える板垣退助という
男がいる。この男は国の為になるのか。ちょっとそのツラを拝んで来よう
と出かけるのはいいが、高知の場所も知らずに出かけるって…。

この人は本当に逸話に事欠かない人だわ。本書にはびろうな話も収め
られているけどね。

故郷・福岡県の豪傑を書きたかったというより、父・杉山茂丸への尊敬と
愛情を込めた作品のように思う。

ただ、私が頭山満杉山茂丸のふたりは知っているけれど、残りの
ふたり奈良原到と魚屋の大将・篠崎仁三郎を知らないばっかりに
半分しか楽しめなかったのが残念。

篠崎はともかく、奈良原は玄洋社関連の人物なのでこの人も規格外
の人物なのだけれど。