天先的で悪辣なプロモーター

11月12日に行われる秋の園遊会。今回は12年ぶりに東宮妃殿下か
お出ましらしい。ただし、最初に皇族方が並んで写真撮影する時
のみ。その後の招待客との懇談はご欠席。

国民との触れ合いはお嫌いですか、そうですか。あれかな、皇太子
殿下がニューヨークに招待されているから「一緒に行きたい」アピール
のやっつけ公務か。

公務にご復帰なさるなら、まずは赤坂御所での奉仕団へのご会釈
から始めて頂けないだろうか。

ドン・キングの真実─タイソンを操る男 アリを葬った男』(ハック・
ニューフィールド デコイ出版)読了。

本名はドナルド・キング、通称ドン・キング。重量級黒人ボクサーの
隣には、いつも彼がいた。

派手な身なりに逆立てた髪。海外から中継されるボクシングの試合で
目にしたキングは、実際、何者なのか分からなかった。

天才的なプロモーターであり、その才能と同じくらいに詐欺師の才能を
持ち合わせてることを知ったのは大分後だった。

ドン・キングがいかにして大物プロモーターへの道を歩んだか。その
過程でいかに多くのトラブルを生み出したかを綴ったのが本書である。

元々は賭博の胴元。殺人の前科もある。だが、モハメド・アリと知り合った
ことでボクシングの世界に足を踏み入れて行く。

そして、プロモーターとして初めて手掛けたのが後に「キンシャサの奇跡」
と呼ばれるようになった「モハメド・アリvsジョージ・フォアマン」の一大
イベント。

この試合、内容の詳細は知っていたが開催にこぎつけるまでに相当の
ゴタゴタがあったんだね。個人的にはこの部分が一番面白かった。

「蝶のように舞い、蜂のように刺す」アリでも、ドン・キングには相当に
搾取されている。それにドン・キングキンシャサ以降も係わりさえしな
ければ、アリはもう少し早く病気の治療に入れいたかもな。

とにかく口先の魔術師なのである。アフリカ系アメリカ人のボクサーたち
に黒人差別と闘おう、白人たちを見返してやろうと囁いて、その実、自身
がボクサーたちから搾取しているのだもの。

キングの搾取の対象はアリやタイソンなどの有名ボクサーばかりではない。
ファイト・マネーが少額のボクサーからさえ、なんとかhしてピンハネしよう
とする。いくばくかのお金を生み出す者からは搾取しようとする抜け目の
なさは徹底している。

どれだけのボクサーが白紙の契約書を書くことを強要されたのだろうな。
「俺のバックにはマフィアがいるぜ」なんて脅してたにしろさ。

ボクシング興行のダークサイド満載の作品だ。近年は表に出て来ること
はなくなったが、まだ存命なんだねドン・キング。もうボクシング界には
戻って来て欲しくないけど。

尚、あの逆立った髪型はある日、神の啓示をうけてからああなったとは
本人の弁である。本当かよ…ボソ。