義務は増大し、権利は消滅する

「ハロウィン中止」のお知らせが貼り出されているらしい。昨年、仮装した
人たちでとんでもないことになっていた東京・渋谷ではない。

神戸の山口組総本部である。やってたものね、近所の子供へのお菓子
配り。さすがに今年は抗争が懸念されるから中止か。

『タックス・イーター ─消えていく税金』(志賀櫻 岩波新書)読了。

税金、いっぱい取られてるよね。買い物をすればもれなく消費税を
取られるしさ、お酒には酒税、煙草にはたばこ税、温泉を利用すれば
入湯料、ホテルに宿泊すればサービス税。その他諸々。

納税は国民の義務だけれど、その使い方についてはまったくと言って
いいほど知らされない。政治家やエライお役人様が、まるで自分の財布
のごとく、湯水のように税金を無駄遣いしている。

時折、会計検査院の調査でとんでもない無駄遣いが判明して報道される
ことがある。その無駄遣い、誰が返してくれるのかと言えば誰も返済して
くれない。

そうして国は言うんだよね。「財源がないから増税します」って。

消費増税とセットのはずだった議員定数の削減の話はどこへ行って
しまったんでしょうね。増税だけして議員定数の削減には今のところ
知らんぷりのようだけれど。

さて、本書。元財務官僚の著者が昭和からの税金の歴史を解説しな
がら、私たちが払った税金が食い物にされているかを暴露している。

分かってはいたけどね。不必要な箱物ばっかり作ったり、族議員
予算の分捕り合戦をしていたりはさ。

結局さ、どんなに消費税率を上げようと、分捕れるところから分捕ろうと
新しい税金を考え出しても日本が抱えている負債ってのは減らないの
ではないかね。

納税の義務に対し社会保障を受ける権利があると思うんだけど、この
権利は近い将来、消滅するんじゃないのか。

だって年金受給年齢は段階的に引き上げられ、受給金額は実質
引き下げが続いている。まして超少子高齢化なんだよね。お先、
真っ暗か、日本。

外遊先で大盤振る舞いしている安倍晋三だけれど、他国にお金を
ばら撒いている場合じゃないぞ〜。

あ…そうか。社会保障が破たんしているから「一億総活躍社会」
とかで「一生働けっ!」ってことなのね。

悠々自適な老後は幻か。