民族と半島の統一は夢か

新国立競技場の白紙撤回に続き、エンブレムも遂に取り下げである。
遅いよな。既に使用しているスポンサーがたくさんあるじゃん。

「ほら、これが原案。ベルギーの劇場のとは似ても似つかないでしょ」と
発表したのはいいが、その原案にもパクリ疑惑。しかも使用イメージ画像
は海外サイトの画像を無断借用だよ。

著作権に対する認識が甘すぎたんじゃないのか。デザインした本人も、
組織委員会も。

新たにコンペを開いて公募するらしいが、もういいよ。1964年の亀倉氏
デザインの再利用をしようよ。

『コレクション戦争×文学1 朝鮮戦争 断』(編集委員:浅田 次郎・奥泉 光・
川村港・高橋敏夫・成田龍一/編集協力:北上次郎  集英社)読了。

既に全20巻の刊行が完了してる『コレクション戦争×文学』シリーズの
第1巻は、朝鮮戦争である。

38度線で分断された朝鮮半島での戦争は、未だ「休戦」状態で戦争が
終わったのではないんだよな。

朝鮮戦争に関しては私の勉強不足もあるんだが、まとまった著作として
ハルバースタム『コールデスト・ウィンター上・下』でどうにか概要を
把握している程度だ。

しかも日本の教科書では「朝鮮特需」と言う言葉でしか覚えた記憶が
ない。お隣の半島の戦争で、日本の経済が潤ったってさ…。すいません。

さて、本書。在日の韓国人・朝鮮人作家と、日本人作家がそれぞれに
朝鮮戦争をテーマにした作品をまとめている。

韓国人・朝鮮人の作家の作品には祖国と民族が分断された悲しみ
や切なさが溢れている。

そうだよな。日本の敗戦によって日本の支配下から解放されたのに、
その祖国と民族がイデオロギーによって分断されてしまうのだもの。

例えば敗戦後、旧ソ連が要求したように北海道が分割統治されて
いたら、日本もお隣の半島のように分断されていたのかもしれない
と考えてしまった。

でも、実際に祖国が、民族が、家族が分断された人々の哀しみや
怒りは当事者でなければ分からないのだろうな。しかも北の3代目
政権は何をするか分からん危険をはらんでいるしね。半島の統一は、
まだまだ実現できないのかな。

尚、本書には松本清張の作品も収録されている。清張作品は結構
読んでいるのだが、これは知らなかった。

朝鮮戦争当時、小倉にあった米軍基地で黒人兵の大量脱走事件を
題材にした作品だ。戦地に送られて死にたくなかったんだよね。

きっとそれは今の前線の兵士もそうなのだろうけれど。