さよなら、セシル

アフリカ・ジンバブエ。独裁者の大統領の下、ハイパーインフレ
通貨は紙くずも同然。そしてついにジンバブエ・ドルは廃止決定。

そんなジンバブエで、黒いたてがみを持つライオン「セシル」は
国内のみならず、海外からも人気を集め、セシルを見ようとする
多くの人たちが国立公園を訪れていた。

そのセシルが、先月死んだ。正確には殺された。

殺したのはアメリカ人の歯科医師。ハンティングの為にジンバブエ
を訪れており、その際に矢でセシルに致命傷を負わせた。

殺しただけではない。戦利品として持ち帰ろうと、皮をはぎ、首を
切り落とした。

これまでもハンティングで殺した動物と一緒の写真をネット上に
掲載し、批判を浴びたハンターは何人もいる。

食べる為の狩りであればいいだろう。しかし、ただ単に殺した動物の
首を加工しひけらかすのは自己顕示欲以外のなにものでもないの
ではないか。

私は動物原理主義者ではない。でも、人間の楽しみの為だけに
動物が殺されるのは嫌だ。

セシル。写真や動画でしか見たことのないライオンだったけど、
なんか哀しいよね。

『オールド・テロリスト』(村上龍 文藝春秋)を読み始める。

久し振りに小説である。しかも新刊。おまけに頂き物ではない。
自腹を切って買ったのだ。でも、500ページ超だよ。