言葉との終わりなき格闘

ぎゃ〜〜〜〜。久し振りにゴールデンタイムに皇室番組である。
勿論、メインは秋篠宮佳子内親王殿下なのだけれど、私の眞子
内親王殿下の映像が出たわっ!

イギリス留学中で眞子さま不足の昨今なので嬉しい限り。先日の
フィリピン・アキノ大統領を招いての晩餐会の様子も映り、佳子さま
の左隣にいらっしゃった信子妃殿下もちらっと。

信子様の三連のパールのネックレスが素敵だったわぁ。もっと信子さま
のファッションが見たいわ。

『<辞書屋>列伝 言葉に憑かれた人びと』(田澤耕 中公新書
読了。

映画化もされた小説『舟を編む』(未読)で辞書編纂という仕事が
注目された。世に数多ある辞典・辞書。その裏には「言葉」と
いう魔物と格闘した多くの人がいた。

自らも『カタルーニャ語辞典』を編纂した著者が、辞書編纂者たち
を「辞書屋」と呼び、その人物像と仕事を追ったのが本書である。

オックスフォード英語辞典のボランティアのひとりに犯罪者であり
精神に異常を来していた人物がいたのは結構有名な話。これだけ
で『博士と狂人』なる作品が出ているものね。

神の言葉であったヘブライ語を庶民の言葉にしようする為に奮闘
したベン・イェフダー。『アメリカ英語辞典』のノア・ウェブスターや
言海』の大槻文彦などもそれぞれに評伝がある。

本書の中で最も興味を惹かれたのは『西日辞典』の照井亮次郎
と村井二郎だ。移民としてメキシコへ渡り、調査団の報告とは
まったく違う悪条件の土地で言葉も分からず辛酸を舐めた人々
の経験から生まれた辞書なんだね。

そして、話し言葉はあったが書き言葉がなかったカタルーニャ語
辞典編纂の話。カタルーニャ語のように書き言葉がない言葉って
世界にはまだあるんだろうね。書き言葉を一から構築するって
大変な作業だろうな。

以前、辞書編纂者の方と話す機会があった。多くの時間をかけた
辞書もいざ出来上がってみると、早速直したい箇所が出て来る
とか。

言葉は時代と共に変化する。辞書編纂の仕事には本当の終わり
というものはないのかもしれない。

著者がカタルーニャ語の辞書編纂者だから仕方ないのかもしれない
が、少々スペイン関連に偏り過ぎかな。最終章で自身の編纂経験を
記すのなら、少し系列違いの言語の辞書編纂者を取り上げて欲し
かったな。その点が少々残念だ。