活用するには条件がある

日本が首相官邸屋上でドローンが発見されて大騒ぎをして
いるが、今年1月にパキスタンで行われたアメリカ軍による
アルカイダ拠点への無人機攻撃で人質になっていたイタリア
人とアメリカ人が殺害された。

プレデターでの暗殺、そろそろ止めませんか?オバマ大統領。

『検証 東日本大震災 そのときソーシャルメディアは何を
伝えたか?』(立入勝義 ディスカヴァー携書)読了。

IT関連の作品だからカタカナ語が多いのは当たり前なんだ
よね。ええ、分かってますよ。でもね、もうちょっとどうにか
ならないかしら。…私が努力すりゃいいってことなんだけど。

さて、本書。東日本大震災関連の作品として購入したのだが、
少々期待外れだったかな。

テレビや新聞のいわゆる既存メディアの報道より、発災直後
Twitterなどのソーシャルメディアで得る情報の方が有益
であったことがある。それは確か。

ホリエモンが行方不明の身内の探す人のつぶやきを延々と
RTしていたり、炎が迫る建物の屋上に避難し救助を待つ
人たちの現状が回りまわって東京都の猪瀬副知事(当時)
に届き、東京消防庁のヘリが出動したりという出来事を
ほぼリアルタイムで見ていた。

日本国内ばかりか、海外でも被災地支援の輪が広がり、
義援金は勿論、多くの励ましの言葉が寄せられた。

しかし、その一方で心ない情報やデマも多く流れたし、
ほんの少しのことに目くじらを立てて「不謹慎だ」との
批判も数多く目にした。

ソーシャルメディアの良い面・悪い面、両方をバランスよく
検証しているのかと思ったんだよね。でも、違った。

確かに悪い面も記されている。でも、結局は「ソーシャル
メディアは素晴らしい」との結論になっている。

所々に出て来る「前著でも…」との記述。前著を読んでいる
ことが前提なのか?唐突に英語力の話が出て来るのも
どうなのかと思う。

発災から数か月で出版しているので仕方のない面がある
のだろう。しかし、実際に被災者の方たちがどのように
ソーシャルメディアを活用したのかを取材してもよかった
のではないかな。

確かにソーシャルメディアは情報交換の場として活用の
幅が広がるだろう。だが、それは端末が常に手元にあり、
インターネットに接続できる環境にあってこそなんだよね。

もう少し時間を掛けて検証してみる方がよかったかも。