ゲリラとして生き、ゲリラとして死す

TBSテレビの「報道特集」がこのとこといい報道をしている。
今日の放送ではISISで外国人捕虜の通訳を務めていたという
人物のインタビューがあった(既にISISから脱走済み)。

殺害された後藤健二氏の通訳もしたとかで、彼は最後まで
日本政府を信じていた…って。

聞かせたいね、安倍晋三に。聞かせたって安倍の耳に念仏
なんだろうけど。(-_-;)

チェ・ゲバラの遥かな旅』(戸井十月 集英社文庫)読了。

1967年10月9日、ボリビアのとある村でひとりの男が死んだ。
その死から30年後の1997年、遺骨は掘り返されでキューバ
ハバナへ移送され、遺族やかつての盟友たちに迎えられた。

男の名前はエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ。
チェ・ゲバラと呼んだ方が通りがいいのだろう。アルゼンチンが
生んだ20世紀の伝説のゲリラだ。

若き日のチェ・ゲバラは中古のバイクで南米を旅した。そこで
目にしたのは軍事独裁政権や、アメリカの大資本の下で抑圧
された人々の姿だ。

本書は若き日のゲバラのようにバイクで世界を旅し、ゲバラ
惚れ込んだ著者によるノンフィクション・ノベルズである。

幼少期から南米の人々に本当の生活を取り戻したいと願う青年期、
祖国キューバアメリカ傀儡政権を打倒しようと画策していた
フィデル・カストロとの出会い。キューバ革命の成功、そして
フィデルとの決別とボリビアでの死までを駆け足で辿っている。

ゲバラに関しては多くの作品が出版されている。研究者による
作品もあればフィデル・カストロによる回想録もある(未読)。
しかし、キューバ革命やその後にゲバラキューバを離れる
ことになったことが頭に入ってないと少々手こずるんだよね。
ま、私の頭の程度によるんだが…。

なので本書は「チェ・ゲバラ入門書」というところかな。実際の
ゲバラの日記や家族へ宛てた手紙、ゲバラが愛した詩人の作品を
引用しながら短くも激しかった生涯を愛情たっぷりに描き切って
いる。

歴史には「タイミング」ってあると思うんだ。多分、ゲバラ
フィデルが出会って、キューバ革命を成し遂げたのもタイミング
が良かったのだろう。そして、祖国を作り直す為に革命家から
政治家にならざるを得なかったフィデルと袂を分かったのも
そういう時期だったのだろう。

もし、フィデルと共にあのままキューバに残っていたら今ほど
ゲバラが支持されたかどうか分からないもの。

まずいなぁ。ロシアをはじめ、ヨーロッパの歴史ばかり追って
いたので南米にまで手が回ってない自分が情けない。ただで
さえ、アフガンの北部同盟司令官だったマスード関連の書籍
が積みっぱなしになっているのに、ゲバラフィデルの作品
を検索している自分が怖い。