アル・カイダからの系譜

タレント議員の三原じゅん子セインセイは1964年生まれの50歳。
思いっきり戦後生まれ。戦前・戦中なんてご存じない。それは
私もなんだけどね。

その三原センセイの口から「八紘一宇」なんて言葉が飛び出した。
びっくりである。いや、この言葉自体は知っているし、戦中に
スローガンとして使われたのも知っている。

びっくりしたのはあの質問のなかでこの言葉って必要ないでしょう。
あれかな、最近、何かで知ったのかな?知ったから使ってみたかった
のかな。子供みたいに。

英霊だとか、御霊だとかを言いたいだけじゃないのか?と感じる
政治家センセイと同じ部類か?

日本書紀』から勉強しろとは言わない。せめて日本の近現代史
くらいはお勉強しようね。勉強して言っているのなら相当な阿呆
だが…。

イスラーム国の衝撃』(池内恵 文春新書)読了。

9.11アメリ同時多発テロ以降、各メディアで言われるように
なったイスラム過激派またはイスラム原理主義者という言葉。

世界各地で起きたテロのニュースを見ながらも、どこかで日本
には無関係だと思っていなかっただろうか。過去には日本人が
人質になったこともあった。殺害された日本人もいた。

だが、日本も無関係ではなくなったのがイスラム国による
邦人ふたりの拘束・殺害事件だったのではないか。

あの事件以降、イスラム国に関する書籍がいくつか出されて
いる。既にジャーナリストの常岡浩介氏の著作を読んでは
いるのだが、もう少し歴史的背景から知りたいと思って
選んだのが本書である。

感情を廃し、実に冷静にイスラム国の成立からその背景に
あるもの、彼らが行う報道活動、外国人戦闘員の有効な
使い方を解説している。

ただ、読み手の私の知識不足で十分には理解出来ていない
部分も多い。

結局はアメリカの中東政策の失敗だったのか?湾岸戦争以降、
アメリカは中東に自分たちの都合のいい政権を作ろうとした。
それがことごとく失敗している。統治能力がなかったり、
アメリカが手を引いたそばから暴走したり。

部族、民族、宗派の対立。そして、抑圧された一部の集団が
権力の隙をついて支配を広げて行く。

ビンラディンを殺害しても、第二・第三のビンラディン
生まれるだけだ」と言った人がいた。

もし、アメリカがサダト政権と手を組んでイスラム国殲滅に
成功したとしても、似たような組織はまた生まれて来るのでは
ないだろうか。

中東が安定するには国境線を引き直すしかない?まさかね。