その使い方はおかしい

I have a dream」。黒人差別と闘った、マーチン・ルーサー・
キング牧師の有名な演説の一節だ。

先日、テレビを見ていたらこの一節を使用したコマーシャルが
流れていた。広告主は転職サイト。

これ、使い方がおかしいだろう。「私には夢がある」。日本語に
訳せばそうだ。「転職で夢を実現しよう」との意図で使用したのだ
ろうが、「私には夢がある」に続く言葉を知っていればこうした
使い方は出来ないんじゃないのか。

作ったのは広告代理店だろうが、これは公民権運動で弾圧された
人々に対しても失礼なんじゃないだろうか。てか、キング牧師
本来の演説の意図が分かってないんじゃないのか。

以下に「I have a dream」に続く演説の内容を引く。

「私には夢がある。つまりいつの日か、この国この国が立ち上がり、
「我々はすべての人々は平等に作られている事を、自明の真理と信じる」
というこの国の信条を真の意味で実現させることだ。
私には夢がある。いつの日かジョージアの赤土の丘の上で、かつての
奴隷の子孫たちとかつての奴隷所有者の子孫が同胞として同じテーブル
につくことができるという夢です。
私には夢がある。今、差別と抑圧の炎熱に焼かれるミシシッピー州でさえ、
自由と正義のオアシスに生まれ変われる日が来るという夢です。
私には夢がある。私の四人の幼い子ども達が、いつの日か肌の色ではなく
人格そのものによって評価される国に住めるようになるという夢です。」

引用したのはほんの一部だ。全文を読むと、この演説の重さが分かる
はずなんだけどな。

平和ボケどころか、差別にも無関心か?我が国は。

『首都水没』(土屋信行 文春新書)を読み始める。

首都圏での洪水が頻発している昨今。もし、利根川が氾濫したら
どうなるのかをシミュレーションする。