報道は本当に役に立ったのか

夕方6時からまたもや安倍晋三が会見をおっぱじめた。相変わらず
言語不明瞭・意味不明。

夕方のニュースを見せろよ〜〜〜。

『メディアは大震災・原発事故をどう語ったか 報道・ネット・
ドキュメンタリーを検証する』(遠藤薫 東京電機大学出版局)
読了。

テレビでは大津波の映像が繰り返し流され、原発事故が起きても
政府関係者や原子力ムラの人たちは「大丈夫。たいしたことじゃ
ないから」のようなニュアンスを込めて状況をぼやかす。

未曽有の大震災と大津波福島第一原子力発電所の全交流電源
喪失。そうして、建屋の爆発。

何が正しい情報なのか。不安に駆られた人々はインターネットを
さまよい、何かしらの情報を得ようとした。

2011年3月11日以降、メディアは大震災と大津波原発事故を
どのように伝えたのかを検証したのが本書である。

圧倒的なデータである。大震災発災直後からのテレビ報道、
Twitter上でのつぶやき、放映されたテレビ・ドキュメンタリー、
海外報道の取り上げ方。バランスよくデータを集め、それを
分析している。

特に興味深かったのが原発事故後の報道についてである。
東京電力は勿論、政府にも保安院にも実際の原子炉の状況を
冷静に分析できる真の専門家がいなかったことから、すべて
が後手後手に回り、国民は疑心暗鬼にかられた。

そうして頼ったのがインターネットだった。それは日本国内に
留まらず、海外のサイトにまで及んだ。日本政府は放射能
拡散予測を公表しなかったが、海外のサイトでは拡散予測を
公表していた。

報道だけではない。バラエティ番組までを網羅する著者の
データ収集能力には驚かされる。

本来であればメディア自身が検証するべき問題なのだと
思う。それは原発安全神話についても言えると思う。

何を報道し、何を報道しなかったのか。どうしてそのように
なったのか。安全神話の提灯を持っていたメディアが、事故後
には電力会社を批判する茶番。

メディアはまず自分自身を反省することから始めて欲しかった。

尚、海外メディアのなかでもアルジャジーラのことが詳細に
取り上げられているのが嬉しかった。今後、日本はどうすれば
いいのか。真剣に考察してくれていたんだな。有難う。