とんでもない野郎だ

久し振りに聞いたわ。「秘書がやりました」。新しい経産相の人は
政治資金をSMバーに使っていた。

ご自身は「そういう趣味はない」と言っていたが、問題はそこでは
ないんじゃないのかのう。

しかも東京電力の株を所有しているとか。なんでこんな人をよりに
もよって経産相にしたのかね、安倍晋三は。

またお腹痛くなっちゃうんじゃないの。

『ホット・ゾーン 「エボラ出血熱」制圧に命を懸けた人々』
(リチャード・プレストン 飛鳥新社)読了。

日本の首都・東京。その郊外にある動物施設で動物たちが次々と
謎の病気に罹患したとしたらどうだろう。

明らかに感染症。もしかしたら人間にも感染するかもしれない。

1989年、アメリカの首都ワシントンの郊外に位置するレストン。
実験用の猿を輸入する業者の管理施設に突然現れたのは、致死率
90%と言われるエボラ出血熱だった。

感染が人間に拡がればパニックは必至。施設内だけでウィルスを
制圧せよ。アメリカ陸軍と疾病予防センターが共同で行った
制圧作戦の顛末を描いたのが本書である。

2013年末のギニアから始まり、現在も西アフリカで続くエボラ
出血熱の爆発的拡大に伴って約20年前に刊行された作品の復刊。

前半は1967年に初めて確認された患者等、いくつかの感染者の
症例が詳細に綴られている。これが怖い。とことん怖い。

致死率90%、特効薬なし。感染したら確実に死に至る。エボラ
出血熱に対してはそれくらいの知識しかなかった。

生きながら、人間が崩壊して行く。ウィルスは体内のあらゆる
ところへ入り込み、増殖し、人間をウィルス爆弾に作り上げる。

そして原因不明の大量出血で死に行く感染者と接触した人々の
体を介し、人間の体を乗っ取りながら拡大して行く。とんでも
ない野郎じゃないか。

世に悲惨な死に方は数々あれど、エボラ出血熱で死ぬのは
勘弁して欲しい。自分どころか、周囲の人間も巻き込んで
しまうのだから。

尚、本書後半のレストンの制圧作戦の話では猿の間では空気
感染もあったようだ。ただ、このエボラ・レストンに関して
は人間には感染しないようだが、今後、ウィルスが変異した
ら…と思うとぞっとした。

西アフリカでのエボラ出血熱はヨーロッパやアメリカに飛び火
している。日本にも現れないとは限らない。その時、日本では
どのような封じ込め作戦が取れるのだろうか。

人間の持つ科学を超えたウィルス。以前はエイズもそうだった。
エイズもエボラも、アフリカから来た。それは人類に対する
警告なのではないかと著者は言う。

熱帯雨林の奥で静かに棲息していたはずのウィルスを、人間が
そこに入り込むことで外の世界へ広めてしまったのだろうか。

20年前の作品とは思えないほどに新鮮な驚きと恐怖を与えて
くれた秀逸なノンフィクション。だが、接続詞がわりに「で」
を多用するのに違和感があった。話し言葉なら許容範囲なんだ
けどね。