国家の罪

腹が立っている。猛烈に腹が立っている。国家権力にである。

DNA鑑定で再審・裁判のやり直しが決まっている袴田事件だが、
ここに来て検察が「ほかのDNAが混入した疑いがあり、信用
出来ない」と言い始めた。

開いた口がふさがらない。危うく涎が垂れそうになった。呆れて
いたのはほんのわずかの時間。そうして、猛烈に腹が立って来た。

検察はどうしても袴田氏を犯人としたいのか。DNA鑑定以前に
当時の事件捜査の過程で発生から1年近くたってから味噌のタンク
から犯行当時に犯人が着用していたとされる衣服が発見された
ことからしておかしいじゃないか。

4人が殺害された事件である。関連場所は隅から隅まで調べたの
ではないのか。それなのに1年近くも経ってから着衣発見?

そして、その衣服は袴田氏には小さすぎたのじゃなかったか。
検察は「1年も味噌に漬かっていたので縮んだ」と疑問いっぱい
このことを主張していたよな。

しかも袴田氏が行ったと言う自白では犯行時に着用していたのは
パジャマだったはずだぞ。自白したから犯人なのに、後から出て
来た証拠との整合性は無視か。どういうことのか説明してもらい
たいわ。

袴田氏が犯人でなければ都合の悪いことでもあるのか。メンツに
こだわっているだけじゃないのか。

捜査の杜撰さ。証拠の捏造疑惑。自白に頼った起訴。そのすべて
を今になっても隠蔽しようとしているのか。

袴田氏の弁護団が言っていた。「荒唐無稽な主張だ」と。まったく
その通り。

ひとりの人間をギネスブックに載るほど長期間拘束し、真犯人を
見逃した罪の重さは誰が背負うと言うのか。どうかしてるぞ、検察。

引き続き『ホット・ゾーン 「エボラ出血熱」制圧に命を懸けた人々』
(リチャード・プレストン 飛鳥新社)を読む。

エボラって空気感染はしないんじゃなかったけ。