それぞれの場所で何が起きていたのか
東京都国立市がヘイトスピーチ禁止に必要な法整備を国に
求める意見書を採択した。
その途端、「こんな自治体、潰れてしまえ」などという
暴言が出始めているとか。
いかれてるんだなぁ、とことん。哀れな人たちだ。
『福島原発事故タイムライン2011-2012』(福島原発事故
記録チーム:編 岩波書店)読了。
2011年3月11日14時46分、三陸沖を震源地とした東日本大震災
発災。それは東京電力・福島第一原子力発電所の事故の引き金
ともなった。
史上最悪、後にレベル7とされる原子力発電所の事故は発災から
どのような経過をたどったのか。
事故調委員会の記録、東京電力のテレビ会議、報道、既刊出版物
などの公表されている資料を突き合わせて、各所で何が起きていた
のかを時系列で追った資料集である。
まずはお断り。この編者である「福島原発事故記録チーム」なる
もの、中心は朝日新聞記者ふたりである。
そう、国会事故調査委員会の「吉田調書」を恣意的に報道したと
される問題人物。なので、本書で参照されている公表資料の取捨
選択そのものがどうなのかという疑問も残ると思うのだ。
但し、同じ時間に政府や福島第一原子力発電所並びに第二原子力
発電所、被災各県等で起きていたことを辿るには参考になる。
あの混乱の中での出来事を俯瞰する一助にはなると思うのだが、
原子炉内でのメルトダウンについては忘れたころに「実はもっと
早い時間に炉心溶融が起きていたようでう」なんて発表されて
いるので「全記録」とはいかないよな。
あの事故については分からないことばかりが多い。どれだけ
既刊出版物を読んでも、当時の新聞記事を読み返しても、動画
サイトで報道の記録を閲覧しても、何が原因で、どの時点で
最悪な事態になっていたのか。はっきりはしない。