日常に続く非日常を描く

台風8号の影響で各地で大雨が降っている。気象庁が様々な
警報を出しているが、どうも気象庁も少々混乱しているようだ。

昨日発表された特別警報の中に、な、なんとっ!「埼玉県沖」
との表示がっ!

うぬ…ついに埼玉県にも海が出来たか。これでもう「海なし県」
とは呼ばせないぞ。海水浴だって出来ちゃうぞ。

あ…喜んでいる場合じゃないな。埼玉県に海が出来るってこと
は、東京都が水没しているってことだもんな。

どうかそんなことになりませんように。

失踪日記2 アル中病棟』(吾妻ひでお イースト・プレイス)
読了。

一時は人気を誇った漫画家・吾妻ひでお。私も子供の頃に
作品を読んだ記憶がある。

その人気漫画家が仕事を放り出して失踪。自殺未遂、路上生活、
肉体労働、そしてアルコールに溺れ、家族に入院させられるまでを
描いたのが前作『失踪日記』だった。

本書は『失踪日記』の終わりの方で「続きはまた」と書かれていた
アルコール中毒治療の病棟での日々を綴ったものである。あ、
勿論、漫画です。

入院生活を送るなかで体験した治療内容や、他の入院患者を
観察した描写なのだが、禁断症状やら鬱に晒されながらよくぞ
これだけ記憶していたなと思う。

依存症からの脱却って辛いと思うし、その治療の過程でも
しんどいことがたくさんあったと思うんだ。でも、それを作品
として昇華出来てしまうのって凄いわ。

作品として出版される以前の初稿の段階ではもっと暗い話に
なっていたそうだが、決定稿でも十分に辛い部分は伝わって
来る。それを、吾妻氏の作風が緩和しているんじゃないかな。

入院中に外泊許可が出て自宅に帰るシーンもいいのだが、
やっぱりラストの退院して帰宅するシーンは読んでいる方
もなんだかほっとする。

尚、吾妻氏は今でも断酒に取り組んでいる。これは一生、
努力しなきゃいけないんだろうな。