これも誰かに監視されている?

なにやってるんだ?小学館。鼻血描写で物議を醸した漫画
美味しんぼ」掲載誌のゲラを、発売前に環境省に見せたって?

表現の問題とは別だぞ、これは。自ら事前検閲させてるような
ものじゃないか。

漫画雑誌とはいえ、編集者の質はここまで低下しているのか。
情けない…。

『暴露 スノーデンが私に託したファイル』(グレン・グリーンウォルド
 新潮社)読了。

毎年恒例、プーチン大統領が国民の質問に丁寧に答えてくれる
よという車番劇…じゃなかった、TVショーが今年もロシアで放送
された。

そこに登場したのが誰あろう、エドワード・スノーデン氏である。
そう、アメリカ政府の情報監視活動を暴露した、元NSA(米国
国家安全保障局)の元職員だ。

アメリカ政府による監視活動んいついて述べた後、ロシアも
同じような監視活動をしているのかというのがスノーデン氏
からの質問だった。

プーチン閣下曰く「情報収集に関しては法律を順守して行って
いるが、アメリカみたいに豊富な予算し、技術的能力もないさ」。

あぁ…元KGBがこんな答えですよ。なんたる茶番。

さて、本書である。ある日、著者は1通のメールを受け取る。署名
には「キンキナトゥス」。古代ローマ独裁官に指名されながらも、
反乱軍を鎮圧したのちに独裁官をあっさりと返上して、平民に
戻った伝説の人物。

このメールの差出人こそ、エドワード・スノーデン氏である。

本書は大きく3つのパートに分かれている。第1パートは著者と
スノーデン氏との接触から、スノーデン氏が持ち出した秘密文書
をいかにして公開するか。スクープを掲載することになった英紙
「ガーディアン」との駆け引き。

第2パートは実際にスノーデン氏が著者に託した文書の一部を
掲載し、どんな監視方法が取られていたかを詳しく解説している。

そして、第3パートは報道後のアメリカ大手メディアの反応と、
著者が考える報道の役割である。

アメリカ政府の世界規模の監視活動の内容も、報道当時と同様、
ショッキングだ。だが、それ以上に衝撃だったのはアメリカの大手
メディアが行ったスノーデン氏及び著者に対するネガティブキャン
ペーンだ。

ペンタゴン・ペーパーズやウォーターゲート事件を報道したアメリ
のメディアは、いつから政府の提灯持ちへと変身したのか。

9.11後、アメリカは「テロが起きたらどーするんだよ」と国民の恐怖
を煽り、愛国者法などという悪法を通して来た。NSAアメリカ人に
対する監視活動は行わないと約束していたが、それさえもテロの
脅威の名の下、なし崩しになった。

アメリカ政府が言うように、テロを未然に防ぐ為に必要であるので
あれば、ボストンマラソンでの爆破テロは未然に防げたはずだった
のではないか。

日本でも特定秘密保護法案が出来、国家安全保障会議が誕生
した。将来、アメリカと同じことをしないとは言い切れない。

他人事ではない。こうしてネット上に、ああだこうだと書いてる
ことが、どこかで秘密の目に監視されているのだから。キャー。

尚、アメリカがドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していた
との報道があった後、「安部首相の携帯電話は大丈夫」と官房
長官が胸を張って断言していた。

それって…盗聴に値しない人物ってことですけど。