混沌の中で踏み止まる

東日本大震災から間もなく3年となる。国は妙なことを発表
したぞ。岩手、宮城、福島の3県に国営の復興祈念施設を
整備するとか。

こういうハコモノ、本当に必要?どこかの県から要望でも
出たの?

お金を使うところが、なんか違う気がする…。

『闘う市長 被災地から見えたこの国の真実』(桜井勝延
聞き手:開沼博 徳間書店)読了。

原町市・小高町鹿島町の3市町が平成の大合併で誕生
したのが福島県南相馬市である。

2011年3月11日の東日本大震災とそれに続く大津波
甚大な被害を受けた上に、福島第一原発事故が追い打ち
をかけた。

屋内避難指示が出た南相馬市は、物資さえも届かない。
その窮状を動画サイトで発信し、一躍、時の人となった
桜井勝延市長のインタビュー集だ。

テレビのニュースに登場した時も、桜井市長は作業着姿
だった。この人が市長だと知らなければ、そこら辺にいる
おじさんという感じ。

だが、作業着に包まれた心のうちは熱い。被災地の首長
ということもあるのだけれど、現場第一主義。国会議員に
だって、中央の官僚にだって、「現場の感覚とずれている」
とはっきり言える人だ。

そして、物凄く前向き。これは桜井市長が本来持っている
性格なのだろうが、市の復興に対しても被災地であること
を逆手にとって、いろんなアイデアを持っている。

被災者であるからといって、被害者意識を過剰に増大させ
ていたら何も変わらないとか、保障と賠償が被災者をダメ
にするとか。結構、耳に痛い言葉もある。

自治体が決めたことを国が引っ掻き回すんだものな。
やりにくいだろうなぁ…とも思う。

余談だが、私は以前「菅直人はお遍路行ってないで、
奥の細道へ行けよ」と言っていたのだが、まさか桜井
市長が同じようなことを発言してるとは思わなかった。

安倍晋三もさ、毎月のように「外交だ」といって海外へ
行くのもいけど毎月、被災地へ行ってみたらどうか。
そうして、仮設住宅で生活してみるってのはどう?