リングにかける夢、再び

むふふ。カーリング女子のチーム・ロシアが美人さん揃いで、
昨晩はしっかり目の保養をさせてもらった。あ、日本が勝つと
思っていたので、結果は気にしてなかった。

それぞれにタイプの違う美人さんたち。また見たいけど、
中継はないだろうなぁ。

『一瞬の夏 上』(沢木耕太郎 新潮文庫)読了。

世界チャンピオンも狙えると言われたボクサー、カシアス内藤
選手生命の終焉を描いた「クレイになれなかった男」から5年。
カシアス内藤がリングを去ってから4年半。ルポライターとしての
仕事の上で事実誤認からミスを犯した著者は、しばらく日本を
離れようとしていた。

友人との酒の席での他愛ない話の中で、思いもかけない
ニュースが飛び込んでくる。どうやらカシアス内藤がリングに
復帰するようだ…と。

夢が、再び前に進み始める。再起に掛ける元チャンピオン、
日本のボクシング界を語る時に忘れてはいけない名トレー
ナーであるエディ・タウンゼント、著者の友人である若き
カメラマン、そして、著者である沢木氏。

もう何度、本書を読んだだろうか。結末は分かっているんだ。
それでも、懸命にトレーニングをするカシアス内藤に感情
移入し、エディさんの厳しいけれど愛のある言葉に心を
鷲掴みされ、沢木氏の視点でカシアス内藤を眺める。

上巻はカシアス内藤の再起第一線までだが、沢木氏が
アメリカ・ニューオリンズへモハメッド・アリのリターンマッチ
を観戦する為に訪れる挿話が秀逸だ。

世界ヘビー級王者であるモハメッド・アリ。その本名である
カシアス・クレイからリングネームを名付けられた内藤。
ふたりのボクサーの再起が微妙にシンクロしている。

やっぱり上手いわ、沢木氏は。試合の描写も勿論だが、
スパーリングの描写を読んでいると目の前で内藤が
動いている錯覚に陥る。

結末は分かっている。それでも下巻を読むのが楽しみだ。