ジャーナリストに英雄は不要だ

雪の結晶が徐々に広がって五輪になる。はずだったんだろう
けれど、四輪にしかならなかった。

ソチ・オリンピックの開会式である。うわぁ、プーチン閣下の目の
前で、しかも開会式でかよ〜。もしかして、担当者はシベリア
送りかぁ?

ん?待てよ。五輪の赤ってアメリカ大陸じゃ…。おぉ、開会式を
欠席したアメリカ・オバマ大統領に対する嫌がらせかと深読み
してみた。

さて、出ました。五輪旗入場でスラバが。聖火リレーの最終
ランナーでトレチャクが。

旧ソ連が「レッド・マシーン」と言われた時代の、アイスホッケー
選手である。スラバなんて一昨年だったか、51歳で現役復帰
してたものなぁ。

しかし、贅沢な開会式だったなぁ。世界的バレエ・ダンサーが
総出演だもの。それにしても、日本選手団のあのユニフォーム、
もう少しどうにかならんかったかねぇ。

『「将軍」と呼ばれた男 戦争写真家・岡村昭彦の生涯』
玉木明 洋泉社)読了。

岡村昭彦は知っているけど、彼が「将軍」と呼ばれていた
なんて知らなかったよ。そう思って古書店で入手したんだが。

開高健が「将軍」と呼んでいただけじゃん。タイトルからし
ダメだった。

という訳で、ダメ本でした。もったいないなぁ。岡村昭彦と
言えばかつては『南ヴェトナム戦争従軍記』がベストセラー
となり、「ライフ」に掲載されたヴェトナム戦争時の写真が
世界的に高評価された写真家でありジャーナリストなのに
なぁ。

著者が岡村昭彦に思い入れがあるのは分かった。分かった
けれど、本多勝一開高健を引き合いに出して哲学的(?)
分析をする必要ってある?

好き嫌いは別にして、本多にしても開高にしても素晴らしい
作品を残しているんだからさ。「本多や開高に対して、岡村
はこういう点で違う。だから、岡村は素晴らしい」ってのは
説得力に欠ける。

岡村昭彦にしても毀誉褒貶の激しい人だ。本多勝一によれば
「信用ならない人間」だしね。

また、本書の中で私が敬愛するデイヴィッド・ハルバースタム
に触れた部分があるのだが、岡村と共に著者は「英雄」である
と語っている。

ジャーナリストに「英雄」って称号はどうなの?凄く違和感が
あるんだけれど。それに、ハルバースタムヴェトナム戦争
後もほかの戦争について書き続けたけれど、岡村昭彦は
その後の戦争取材ってほとんどないんだよね。

あ〜あ。外れ本が続くな。選んでいるのは自分なんだけど、
ここまで続くと選書が慎重になるわ。