地獄の中の菩薩のよう

う〜む。ソチ・オリンピック、フィギュアスケート男子シングルスの
ロシア代表がまだ決まらない。

先週末に行われたヨーロッパ選手権終了後…のはずだったの
だけれどな。哀しいかな、今のロシア男子は1枠しかないのだも。

しかも、ロシア選手権で優勝したマキシム・コフトゥンのコーチで
あるタラソワ・コーチが「プルシェンコがふさわしい」とか言ってるし。

22日のテスト演技後かぁ。早く決まってくれないかなぁ。

福島第一原発収束作業日記 3.11からの700日』(ハッピー
 河出書房新社)読了。

壁一枚向こうは致死量の高放射能汚染区域。福島第一原発
東日本大震災地震と、それに伴う津波で史上最悪の事故に
至った原発

そこで作業員として従事していたのが本書の著者である
ハッピー氏だ。

原発事故直後からTwitterで最前線の現場のことを呟いている
作業員がいる。そんな話が聞こえて来たのは事故から大分
経ってからだった。

そのTwitter上のつぶやきをまとめたのが本書である。原発事故
関連の作品はもう何冊も読んだが、本書はそのどれとも違う。
最前線の現場の声であり、日々、生きるか死ぬかで作業に
あたった人の生の声である。

報道だけでは分からないリアルな現場が、ぎっしりと詰まっている。
つぶやきの中でハッピー氏が危惧していたことが、後日、本当に
トラブルとして発生している。

あの混乱の中で、必死に状況を改善しようとした人々がおり、
暑い日も寒い日も、コツコツと作業を続けた人がおり、政府が
冷温停止状態」という不思議な言葉で事故収束宣言を出した
後も、廃炉に向けての作業を続けている人がいる。

海外のメディアが大きく取り上げた「フクシマ50」だけではない。
多くの作業員が「どうにかしなきゃ」との思いで、日々、現場に
通った。

それなのに、事故収束宣言から作業員の待遇が悪くなっている
なんてね。一体、他に誰がやってくれるんだよ。東電本店と、
東電現場の温度差や、現場の声を救い上げない今の体制は
ハッピー氏がつぶやくように非常に危険なものだと思う。

これは保存版だな。尚、亡くなった吉田元所長は高線量の
現場に赴く作業員のことを「地獄の中の菩薩のように感じた」
と評したそうだ。

現在、何かのトラブルがない限り、福島第一原発のことが
ニュースで取り上げられることがない。どこでもいいから
「今日の福島第一」を毎日伝えてくれないだろうか。