良き数学者にして熱烈な共和主義者

全日本フィギュアを観ようと思ったのだが、やっぱりフジテレビは
放送の仕方が下手。

いらつくわぁ。あとで結果だけ観るか。

ガロア 天才数学者の生涯』(加藤文元 中公新書)読了。

アパレルの倉庫に勤めていた頃、繁忙期になると当然のように
残業だった。商品の出荷に追われてヘロヘロになって集計表
を書き込む夜8時過ぎ。8+8の暗算が出来なかった。

隣で出荷指示書を整理している相棒に「ねぇ、8+8っていくつ?」
と聞いて呆れられたっけ。

現在は派遣先で電話オペレーターをしている。就業時間、1日の
受電件数の合計を出す。やべぇ、二ケタの足し算が暗算で出来
ない。電卓があってよかったよ。

ことほどさように数字が苦手である。中学・高校時代はなんで
この世に数学なんてものがあるのか恨んだものだ。

以前ポアンカレ予想を解き明かしたロシア人数学者の話を
読んだ。数式はチンプンカンプン。でも、数学者という人々の
評伝には興味を持った。

そこで本書である。ガロア理論は聴いたことがあるだけ。その
理論を展開した19世紀の天才数学者の評伝である。

もう生まれた時代が悪かったとしか言えない。19世紀のフランス。
王党派と共和派が鎬を削る時代に生まれたガロアの人生には、
政治の影が色濃くつきまとう。

彼に理解を示す教師に出会え、せっかくその才能を開花させた
のに数学よりも政治運動にのめり込んでしまうのだものな。

時代がもう少し安定していたのならば、ガロアは20歳で世を
去ることもなかったのかもしれないし、その後も数学の世界
で研究を続けられたのかもしれない。

数学がお手上げでも興味深く読めたのは、著者のガロア
対する愛情の深さが感じられたからか。