プロパガンダには騙されないぞ

雅子さま 美智子さまを越える日

無理(キッパリ)。女性週刊誌「女性自身」の見出しに突っ込む。

やめとめよ、「女性自身」。またプレッシャーを感じたとかで、
この先も10年ご静養になっちゃうぞ。

原発広告』(本間龍 亜紀書房)読了。

「電気を大切ね」。テレビ・コマーシャルで語りかけていた
東京電力のキャラクター・でんこちゃんは、あの原発事故
から姿を消した。

本名は「分電でんこ」。描いたのは内田潤菊。どうやら家族も
いるらしい。でも、今は家族ともども行方不明だ。

でんこちゃんと同じように姿を消したのが、オール電化住宅
のコマーシャル。これだって、原発ありきの商品だものな。

福島第一原発事故以前、メディアには電力会社や電気事業
連合会、資源エネルギー庁の広告が溢れていた。

原子力発電はエコです。クリーンです。安全です。事故は起こり
ません。万一、事故があっても放射能を封じ込める対策が出来
ています。

約40年に渡って膨大な費用を投入して行われて来た原発
プロパガンダ。現在は電力会社や関係機関のホームページ
からも抹殺された原発広告の歴史をひも解いたのが本書だ。

著者は元広告代理店勤務。前著『電通原発報道』は少々
物足りなかったが、本書では前職の本領発揮だ。

いわゆる原子力ムラがいかに原発への批判を抑え込んで来たか。
それはテレビ・ニュースのスポンサーを抑えることで、いとも簡単
に出来るのだ。

スポンサー批判はご法度。第4の権力であるはずのメディアは、
金の為には自主規制路線を突っ走る。最も酷いのは自民党
御用新聞・読売新聞なのだが。

福島第一原発の事故で原発推進派の宣伝は影を潜めたと
思っていたのだが、地方紙ではこそこそと復活の兆しである
ことを本書で知った。懲りない人たちはまだまだいるんだな。

著者自らは反原発だったので、代理店勤務の際には原発広告
の仕事を断ったそうだ。だが、広告業界に身を置いたひとりと
して、本書で原発広告の成り立ちを解説したのは著者なりの
懺悔なのだろう。

入手困難になっている原発広告が多く掲載されている本書は、
資料的な価値も高いのではないだろうか。

40年に渡って続けられて来た原発プロパガンダ。もう、誰も
騙されないぞ。

尚、電力各社や関連組織が行って来た大量の原発広告の
資金は、私たちの支払って来た電気料金から出されている。