責任回避のツケは国民が払う

新党が出来るって?その政党名は「みんな離党」ですかね。
それで、よしみちゃんのところは「自民党渡辺支部」ってこと
でいいのかな?

政党ばっかり出来ても、きちんと政治の出来る政治家がいなりゃ
同じなんですけどね。取り敢えずは特定秘密保護法案の採決の
際に、棄権・欠席した国会議員は辞任してくれないか。

『カウントダウン・メルトダウン 下』(船橋洋一 文藝春秋)読了。

日米同盟。あの危機の際、「トモダチ作戦」でアメリカには多大な
支援を受けたことは忘れていない。しかし、そのアメリカもすべて
が同じ方向を見ていただけではなかった。

アメリカ海軍横須賀基地では原発事故後の早い時期に日本からの
撤退が検討され、アメリカ大使館は軍人が撤退を検討しているのに
日本にいるアメリカ人の退避をどうするかで右往左往している。

運命共同体なんて幻想である。支援はしてくれるが、アメリカが日本
と運命を共にすることはない。アメリカの支援には感謝するが、米軍
がいるから大丈夫なんて発想は捨てなきゃね。

そのアメリカは9.11同時多発テロの後に原発テロを想定した防災
計画を立てていた。原発列島である日本も本来であれば想定して
おくべきことであったが、当然のようにやっていない。

だって、原発は安全だから。深刻な事故なんておこらないから。そう
言って過疎地にボコボコを原発を建設して来たのだ。想定し、訓練
することさえ原子力ムラは許さなかった。

そして120億円もかけて開発したSPEEDも実際に原発事故が起きて
も役立たずで終わった。何故、SPEEDの公表が遅れたのかの章が
興味深い。

結局は責任を取りたくない霞が関の責任の押し付け合いだったのか。
それでツケを払うのは国民なんだよな。SPEEDの開発・維持費、
返せよ。

政治家も、東京電力も、お役所のグダグダ。そのなかにあって、まとも
に機能していた自衛隊、消防、海上保安庁が脚光を浴びるのは当然
だろうな。

加えて、福島第一原発に吉田所長がいたこと。本店の広報なんて
本当に酷いもの。あの危機の最中にテレビの報道がどうのこうの
とやっている。阿呆か。

本書の最終章でほんの少し触れられているが、福島第二原発
深刻な状況だった。しかし、第一に吉田所長がいたように第二には
増田所長がいた。

電源喪失はしたものの、電源車をかき集め、9mのケーブルを2〜
3時間の間に200人の人間とヘリを使って敷設している。

ふむ。誰か第二原発についての調査報道をしてくれないだろうか。

本書は登場する人物が多岐に渡っているので時々、誰がどこの
所属なのか混乱する部分もあるが、福島第一原発事故の最悪の
期間を綴った作品として貴重な資料となるんじゃないかな。