何があっても電力様は変わらない

はぁ…。今日は始業時間から滅茶苦茶忙しかった。昼前には既に
声が掠れてたもんなぁ。

今晩は早めに寝ようなんて思いながら地元駅からテクテクと帰って
来てテレビをつけて呆然。伊豆大島が酷いことになっているでは
ないか。

16人死亡。行方不明43人って…。朝起きたら、隣の家がないって
なんだよ。ひとりでも多く、見つかりますように。

『プロメテウスの罠5 福島原発事故、渾身の調査報道』(朝日新聞
特別報道部 学研)読了。

サブタイトルで自画自賛している本書だが、長期連載だけあって
様々な角度から福島原発事故を追っているのは確かだ。

福島沖の放射線調査の為に東京海洋大学が緊急で練習船
出航させた第1章と、高校生が立ち上げた安否確認サイトから
広がったネットワークを描いた第2章は辛い現実のなかにも
光が見出せる。

人間が避難するのに精一杯。その避難だってまさか長期に渡る
とは思わなかった人々は家族の一員であるペットを連れて避難
することが出来なかった。

置き去りにされたペットや家畜をどうすればいいのか。確かペット
の救出に関しては大勢のボランティアが活動していたが、その
すべてが歓迎されたわけじゃないんだよな。

福島原発事故関連の作品を読むたびに、新たな憤りを感じる
ことが多いのだが今回もそうだった。被災者に対する損害賠償
の酷いことに唖然とし、ふつふつと怒りが湧き上がって来た。

本書で紛争解決センターの方が言っているのだが、東電に拒否権
があることがそもそもおかしいのだ。結婚したから。新しい家を購入
したから。生活の基盤が出来たでしょ。では、精神的慰謝料はなく
なりますってなんだよ?

土地家屋の賠償にしたって固定資産税を基準にする?その金額
で住めなくなった家と同じ規模の家を買えますか?買えませんよ。

出て行きたくて住み慣れた土地を出て行った人たちではない。
「安全ですよ。事故なんて起こりませんよ」と言い続けて来た
己らの原発の事故で出て行かざるを得なかったんじゃないか。

しかも、東電の評価が低いなら私たちが基準を作りましょうと
資源エネルギー庁がしゃしゃり出てくる始末。勿論、東電より
の基準を作っているんだよね。

あれだけの過酷事故を起こしても、東京電力は相変わらず
「電力様」のままなんだ。やっぱりこんな会社は破たんさせた
方がいい。誰が故郷を、家を、思い出を奪ったのか。

当事者意識なんてまったくないだろう。避難を余儀なくされている
人たちは1日でも早く生活を立て直したいっていうのにさ。理解
してないよな。

アホノミクス…じゃなかった。アベノミクスとやらで政府は景気の
いいことばかり言っているが、被災地はやっぱり置き去りなんだ
と思うわ。