そうだ、宇宙へ行かなくちゃ

また関東に台風接近か。台風が来るごとに気温が下がって行くね。
この台風が過ぎたら、また一段と寒くなるんだろうか。

過ごしやすく穏やかな秋は、年々短くなってるような気がする。

『ロシア宇宙開発史 気球からヴォストークまで』(冨田信之
 東京大学出版会)読了。

笑い話をひとつ。
アメリカは宇宙でも記録が残せるよう、無重力でも書けるボール
ペンの開発に苦心していた。アメリカの研究を凌駕したのはソ連
「筆記用具?鉛筆を持っていけばいいではないか」

さて、宇宙開発である。ライト兄弟の飛行機を持ち出すまでもなく、
空へ、そして更なる高みへと人類の夢は果てしなく広がる。

SFは苦手なのだが、老飛行士4人が活躍する映画「スペース・
カウボーイ」は何度も観て、何度も泣いた。「キャプテン・ハー
ロック」等の松本零士の漫画も好きだ。

宇宙は夢の宝庫。だって、かぐや姫が月へ帰って行ったり、
うさぎが餅つきしていたりすんだもの。

本書はアメリカと共に宇宙開発を牽引したソ連の宇宙開発史を
綿密に追っている。

それぞれの研究者の生い立ち、その研究の元となった発想が
時系列で記されている。

科学は苦手だし、数学なんてなんでこの世に存在するか理解
出来ない私には「????」となる部分も多かった。だって、数式
を見たってそれが何を表しているのか分からないのだもの。うぅ。

それでも、徐々に宇宙へ近づいて行く研究者たちの情熱は
面白く読めた。人類初を次々と達成したソ連だが、その裏には
数えきれないほどの失敗があるんだよね。

そういえば、ライカ犬もいたっけ。人間の代わりに実験台にされた
犬。地球軌道を最初に周回した犬なんだが、今だったら動物愛護
団体に猛烈抗議されただろうな。

本書は図版や写真も豊富。革命は起きるわ、大テロルは起きるわ、
大祖国戦争は起きるわで、ソ連の波乱万丈の歴史と同様に、宇宙
開発も波乱万丈。

多くの資料を駆使して書かれているが、これもソ連が崩壊して
文書が公開されたからなのかな。