人の心も試されるのか

映画にうつつを抜かしてました。友人から送られて来た荷物が
いけないんです。だって、「太陽がいっぱい」のDVDが入って
いたんですもの。

3連休中、ほぼDVD鑑賞で終わってしまった。そろそろ夏物の
カーテンや敷物を片づけなきゃいけないのに。

来月にも連休を申請してあるから、その時まで夏物で我慢だな。

『感染宣告 エイズウイルスに人生を変えられた人々の物語』
石井光太 講談社文庫)読了。

後天性免疫不全症候群エイズである。日本でこの病気が知られる
ようになった頃は死に至る病だった。

現在では完治することはないものの、適切な治療によりウィルスを
抑えることが出来るようになった。

それでも偏見が残る病であることに変わりはない。血友病患者が
非加熱製剤でウィルスに感染した事例は社会問題にもなったが、
多くが性交渉での感染だからだろう。

ある日、自分自身が、パートナーが、エイズウイルスに感染している
と告げられたら私たちはどうしたらいいのだろう。

本書はエイズウイルスに感染した人たちと、パートナー、両親等、
感染者の周囲の人々にも感染宣告がもたらすものを描いている。

切り口としては興味深い。だが、創作が入ってないか?あまりにも
ドラマチックな事例ばかりで「本当かよ?」って思ってしまう。

血液製剤感染例は1例だけ。他は援助・交際や風俗店で働いて
いた女性や、同性愛者の男性の事例ばかり。

人の心の闇を描くのはいいのかもしれないが、いきなり感染者
ばかりの同性愛者の乱・交パーティから始まるのってどうよ?
必要あるか?

エイズウイルスに感染していることが分かったら、パートナーに
告知しなくてはいけないって義務があったはずだが、本書では
ひとそれぞれの事情があるからすべての人が話す必要はない
なんて話が出てくる。

う〜ん…石井さん、大丈夫か?ノンフィクション作家って呼ぶのが
ためらわれるなぁ。