怠け者は勤勉な読書家

シリアに軍事介入ですか、アメリカは。う〜ん、国際社会の介入は
必要だけれど軍事介入ねぇ。またイギリスが尻馬に乗るんだろうな。

戦争以外に、他の方法はないのかなぁ。う〜ん…。

『柔らかな犀の角』(山崎努 文藝春秋)読了。

分かっていたんだ。今でも積読本が多いのに、本や読書関連の
本を読めば、それだけ読みたい本リストが長くなるのは。

でも、分かっていても読んでしまったのだ。だって山崎努なのだ
もの。好きな役者なのだも。その人の「読書日記」なのだもの。
これを読まずに放っておく手はないだろう。

ええ、見事に読みたい本リストが増えましたとも。でも、後悔は
していない。演技同様、山崎努の文章に惹きつけられたもの。

自らを「怠け者」という著者だが、いやいや勤勉な読書家である。
すぐに読みたい新刊があるからと、本屋に飛び込むも品切れ。
2件目で1冊残っていたのを、他の人に取られないように素早く
手にする。

あぁ、ベテラン俳優が本屋でこんなことをしているなんて微笑ましい
ではないか。

飛行機のなかで航空サスペンス小説を読もうとチャレンジするも、
エンジンの轟音であえなく断念。こういうの、分かるわぁ。作品の
シチュエーションに合わせて読んでみたいと思うもの。

その時に読んだ本だけではなく、以前に読んだ本の話も出ていて
ちょっとした関連性のある話が日記形式でまとまっている。

俳優なので、作品の中のどの人物を演じてみたいか・・・なんて
話も勿論ある。

読書量、知識量にも圧倒されるが何よりもストンと入って来る
文章の書きっぷりに惚れた。元々、好きな俳優だが改めて
惚れ直しました。

「僕は俳優としてアマチュアだと思っている。
 長いことやっているから、それなりの技術は覚えた。それなりの
出演料もいただき、それで食っている。それでもやっぱりアマチュア
 なぜなら僕は演技について、俳優業について、なんの確信も
自信も持っていないからだ。いや俳優業に限らず人生全般に
ついてなーんにもわかっていないと実感するからだ。何事も
手探り、さてどうしたものかといつもゼロからこつこつと学習
する始末」

生前の山岡久乃さんが「私は大根役者ですよ」と言っていたのを
思い出した。「確信も自信も持っていない」って、あの山崎努がなぁ。
でも、それだから演じ続けられるのかもな。