読めない
まったく気付かなかった。あの封印作品が電子書籍版で復活
していたなんて。
言論テロの原因となった深沢七郎の『風流夢譚』である。
総合雑誌「中央公論」に掲載されたこの作品は、天皇はじめ
皇室の人たちが次々と殺害されるという内容。
これが右の方々の逆鱗に触れた。作者の深沢七郎は雲隠れ。
雑誌発行元の中央公論社(注:現在の読売傘下の中央公論新社
とは別物)が批判の矢面に立った。
そうして起こったのが社長であった嶋中鵬二氏宅における、右翼
少年による襲撃事件。
嶋中夫人が重傷を負い、家政婦の女性が死亡した。
この時、編集部にいて対応にあったのが私の恩師のひとりである。
学生時代、直接、話を聞いたっけ。
う〜ん、読みたいな。でも、電子書籍端末を持っていないし、友人
連中も紙の本派だしなぁ。
あぁ、どうしよう。
『さよならまでの読書会 本を愛した母が残した「最後の言葉」』
(ウィル・シュワルビ 早川書房)を読み始める。
宣告は末期がん。母に残された最期の日々。最愛の母と始めた
ふたりだけの読書会を、息子が綴るエッセイである。