300ページでは無理でした
「原発の恩恵を受けたのは我々。笑顔が戻るまで支援しなければ
と思った」
今でも福島県双葉町から避難して来た人々が残る、埼玉県加須市
の市長の言葉だ。
役場機能は福島県いわき市に移転したが、避難所となった高校に
は今でも被災した方々が暮らしている。
「高校は住宅ではない。国の責任で、1日も早く避難者がゆっくり
生活できる場を与えて欲しい」
加須市長の言葉や、埼玉県に残ると決めた人々の思いは、この
国の中枢に届いているのだろうか。
『三千年の海戦史』(松村劭 中央公論新社)読了。
3000年なのである。なのに本書のページ数は333ページなのだ。
普段なら「薄い本」とは思わないページ数なのだが、3000年を
このページ数でまとめていいのか?
塩野七生氏はレパントの海戦だけで1作品を書いているし、ミッド
ウェイ海戦も大作が何冊もある。ドイツ軍のUボートしかり。
海戦史というよりも、海洋国家と大陸国家の違いを描きたかった
のかなぁ。それはそれで、参考にはなったんだがこのタイトルだ
と綿密に各海戦を解説しているように受け取れる。
私もそれを期待して読んだのだけれどね。ちょっとはずれ。だって、
海戦なのに戦略図なんてほとんどないんだもの。
これは編集の腕が悪かったのか。それとも、陸上自衛隊出身の
著者に海戦は無理だったのか。どっちだろう。
と言う訳で、ものすご〜〜〜〜く消化不良なのである。この気持ちを
どうしてくれよう。塩野氏の『レパントの海戦』再読で解消するしか
ないのか?
でもな。塩野氏の作品を再読しちゃうと、次々と読み返したくなる
のだよな。うん、我慢しよう。