とっても美味しそう…じゃないっ

むむむっ。皇后陛下の体力が極端に落ちているらしい。明日から
予定されていた葉山でのご静養も中止だそうだ。車での移動も
さし障るのか。

皇室ウォッチャーとしては心配である。こうなったら本格的に
両陛下の公務軽減を考えてもらいたい。

どうか、ごゆっくりご静養なさって下さい。

『つまみぐい文学食道』(柴田元幸 角川書店)読了。

キドニー・パイってなんだ?ライス・プディング?え、お米のプリンか。
お米が甘いのか。それは嫌だぞ。

コーン・ブレッド?コーンはとうもろこしでしょ。あのつぶつぶがパン生地
に練り込んであるのか?

ラム・チョップだと?空手チョップなら知っているが、そのチョップは
食べ物なんだろう。

というように、中学・高校と欧米文学を読んでいると食べ物の記述
でしょっちゅう躓いていた。今のようにインターネットなんてなかった。

パイと言えば不二屋のウィンドーで見掛けるアップル・パイくらい。
それさえも買ってもらえない。ケーキならばイチゴの載ったショート
ケーキが、モンブランくらいしか食べたことのない子供時代である。

本の中に出てくる食べ物は想像するしかない。こんがりキツネ色に
焼き上がった七面鳥の丸焼き。肉屋に七面鳥なんか売っていない。
想像するそれは非常に美味しそうなのだが、長じて実際に食べて
みると、七面鳥は私の口には合わなかった。

本書はアメリカ文学の翻訳者である著者が、現代の欧米文学作品の
なかに出てくる食べ物を、前菜からデザートまでと並べて紹介する
エッセイである。

はっきり言って知らぬ作家の知らぬ作品ばかり。それでも面白く
読めるのは著者の力量だろう。そして、出てくる食べ物のどれも
これもがあまりおいそうではないのがミソ。

唯一美味しそうなのは『白鯨』に出てくるクジラのステーキと、鯨油
で揚げる揚げパン。これは食べたいぞ〜。

各章の頭に添えられている吉野朔美のイラストも素敵だ。

文学作品ではないけれど、アニメ「はじめ人間ギャートルズ」に出て
来るマンモスの輪切り(?)が子供心にもとっても美味しそうに見えた。
「マンモス食べた〜い」と言って、母に呆れられた記憶がある。

文学もそうだけれど、映画に出てくる食べ物も美味しそうなんだよね。
確かそんな本が出ていたと思った。あぁ、また神保町に行かなくちゃ。