原発の裏でほくそ笑む奴

アメリカ・オクラホマ州を襲った台風の被害が甚大だ。全壊した小学校で、
子供の所在を確認する人たちの声の悲痛なこと。

今回のような巨大な竜巻は初めてだと言う。やっぱり地球規模でおかしな
天候になっているのだろうか。

『プロメテウスの罠3 福島原発事故、新たなる真実』(朝日新聞特別報道部
 学研)読了。

新聞連載の書籍化第3弾は、福島県広野町の高野病院の奮闘から
始まる。原発から22kmに位置する高野病院は、福島第一原発
1号機が爆発したあとも、入院患者を避難させることなく入院医療
を続けた。

勿論、避難するよう勧告もあった。病院を訪れた警察官からは「なぜ、
ここにいるのか」と強い言葉で言われている。だが、動かせない患者
もいる。実際に被災地の他の病院では避難の際の長時間の移動中
に亡くなった方もいた。

この高野病院のケースが突き付けるのは、被災地での地域医療
継続の問題だ。住民が帰還するにしても、病院が必要になる。
だが、「福島」というだけで看護師等が集まらない現実がある。

福島県三春町は原発から西に45kmに位置する。原発立地自治体でも
なく、自治体職員も放射能に対する知識はなかった。

しかし、大熊町からの避難住民を受け入れたことで、住民につき添って
来た大熊町職員が集めていたデータから放射性物質が自分たちの町に
も危険を及ぼすことを悟る。

政府はSPEEDIのデータを公開しなかった。海外の放射能観測機関の
拡散予測を参考に、風向きを確認して全町民にヨウ素剤の服用を
促した。これがのちに、県やマスコミから批判されるようになるのだが。

他にも除染の問題、核廃棄物の地下保存施設の問題を扱っている。
マスコミもそうなのだが、原発安全神話に加担した戦犯として
批判の矢を浴びてもおかしくない広告代理店なのだが、誰も批判
しないんだよね。

電通博報堂東急エージェンシーの有名広告代理店は原発安全
神話で大儲けした上に、今度はがれきの広域処理や除染でも
大儲けしている。

環境省ががれきの広域処理の啓蒙の為に、日刊紙に全面広告を
打ったことははっきりと覚えている。これも広告代理店が絡んで
いるし、被災地にオープンさせた除染プラザも環境省電通
丸投げ。

いつ終わるとも知れぬ避難生活を送っている人たちを尻目に、
二重三重に甘い汁を吸っている奴らがいる。それは、財政難の
自治体に核廃棄物の地下保存施設を作らせようと暗躍する
有象無象の奴らと同じじゃないのか?