下町讃美が高じたか

高速道路は民営化から45年で無料にしますっ!(キリッ)。

言い切ったはずなのに「やっぱり無理でした」とは国交省の弁だ。

そうだろうな。インフラは作ればいいってものじゃないもの。無料化
したらメンテナンス費用はどうするんだ?と思っていたら、あっさり
諦めたようだ。

はい、利用者に謝りましょうね。見通しが甘かったって。

『路地の匂い 町の音』(森まゆみ ポプラ文庫)読了。

生まれたのは東京都荒川区。でも、生後1年も経たずに現在の実家が
ある場所に越して来たので、ほとんど埼玉育ちである。

だから、「東京へ行く」と言えば上野か浅草。このふたつの町は子供の
頃から親しんでいるし、その周辺を散歩するのは今でも好きだ。

なので、下町を描いたエッセイは大好き。タウン誌「谷根千」の編集人と
して下町ブームの火付け役ともなった著者の作品も何作か読んで来た。
勿論(?)未だに積みっぱなしの作品もある。

本書も東京の町を題材にしたエッセイということで手にした。だが、何か
が違う。短いエッセイを集めて1冊にしたものだから、統一感がないのは
仕方ないのかもしれない。

読んでいて違和感ばかりが増したのは、下町の良さを強調するあまり
に、ほかのことを引き合いに出しているからなのかもしれない。

東京の老舗の親しみ易さを説明するのに、京都の老舗を持ち出すのは
いかがなものか。

なかでも一番引っかかったのは、下町商店街とデパートの比較だ。
こんなかけ離れた場所を比較して「下町商店街はサイコー」と言わ
れてもなぁ。

商店街は日常の買い物をするところ。デパートは特別な日の買い物を
するところと思っているので、「こりゃやっちゃいけないだろう」と思って
しまった。

市民運動にも関わっているせいか、行間からほんのりと政治の匂い
がするのも好きになれなかったな。この人のエッセイは、もう読まなくて
もいいのかもしれない。

あ…積んである本はどうしよう。汗。