戦争をしたがる大人たち

安倍ちゃん夫人は現在、日本のファースト・レディである。その夫人が
韓国ミュージカルを観に行ったとフェイス・ブックで報告したら、批判
殺到。

なんだ、この日本って国は。政治と文化は別物だろう。いいじゃん、
ミュージカルくらい観に行ったって。なんでそんなことで批判する
のだろうね。心の狭い人たちがいたもんだ。

これじゃロシア・バレエなんて観賞しに行った日には「アカ」って
言われるんだろうな。日本の伝統文化以外はダメってことか?

変なの。

『ブッシュの戦争』(ボブ・ウッドワード 日本経済新聞社)読了。

アメリカのみならず全世界を驚愕させた9.11同時多発テロ
時の大統領は子ブッシュ。同時テロ多発テロ発生直後から、
子ブッシュ政権の3カ月を詳細に追っている。

オサマ・ビンラディン率いるアルカイダのせん滅、ひいてはその
テロ組織を匿うタリバンへの攻撃を目的としたアフガニスタン
侵攻作戦は国防総省vs国務省の闘いでもあった。

安全保障会議や大統領抜きの長官級会議でのラムズフェルド
とパウエルの対立の構図は興味深い。

大変だったろうな、パウエル国務長官は。ラムズフェルド
国防総省の制服組と対立して、アフガン侵攻の具体案を
提示出来ないのに、調子のいいことばかり言うんだから。

支援物資の投下と空爆を同時に行うなんて発想は子ブッシュ
ならではなんだろうな。「アメリカはタリバンに苦しめられている
アフガンの人たちを解放しに来たんですよ〜」っていう表明
なんだよね。結局は、長期間に渡ってアフガニスタンの一般の
人々を苦しめることになるんだけどさ。

アフガン侵攻当初からテロ支援国家としてイラクを攻めたかった
チェイニー副大統領をはじめとしたタカ派たち。初めは「イラク
じゃない。アフガンだ」と言っていた子ブッシュも、最後はイラク
戦争にGOサインを出しちゃうんだよね。

本書の中で経過する時間は僅か3カ月。でも、アメリカの政治物
の常で話で超大作である。

著者はニクソンを大統領辞任に追い込んだ『大統領の陰謀』の
共著者である「ワシントン・ポスト」の記者ウッドワードなのだが、
少々筆が甘いのは子ブッシュが大統領就任中に出版された
からか。もっと辛口な批判があってもよかったと思うのだが。

アメリカは正義の為に戦う。でも、それは全世界共通の正義
とは限らない。アメリカはいつになったら気がつくのだろうか。

尚、ライス大統領補佐官パウエル国務長官ラムズフェルド
国防長官それぞれの本が我が家では積みっぱなしになっている。
さて、いつ読もうか。汗。