私だって知りたい南の国

急に真夏日である。暑いじゃないか。もう海開きをしてもいいような
気温だった。

三寒四温とは言うけれど、ちょっと極端なんじゃないか。上野公園の
桜も三分咲きだそうだ。見ごろになるのは今週末だとか。入学式の
頃には散ってしまうのだろうなぁ。

今日はアイスを買って帰宅。そして麦茶を煮出して冷蔵庫へ入れた。
まだ3月なのにねぇ。

『グランドツアー 18世紀イタリアへの旅』(岡田温司 岩波新書)読了。

ローマが次々とヨーロッパ大陸支配下に治めるまで、イギリスも
フランスも蛮族が暮らす地域だった。

威容を誇ったローマ帝国が滅びて後の18世紀。今度は当時の先進国
となったイギリスやフランスから、良家の子弟、芸術家や知識人が
イタリアを目指した。

グランドツアー。数か月をかけてイタリアを回る。ローマ帝国は消滅
しても、そこは自然や芸術に恵まれた国だった。

江戸時代の日本人がお伊勢参りをしたように、イタリアも腕は一種の
流行になっている。

本書は「人」「自然」「遺跡」「美術」の4章からグランドツアーを解説
している。

「君よ知るや 南の国」と書いたのはゲーテだったか。

イタリアの話を読むたびに、このフレーズを思い出す。行きたいのに、な
かなか行く機会が作れないイタリア。そりゃ、知りたいさ。南の国を。

グランドツアーのように数か月は無理だろうけれど、せめて2週間くらい
は滞在してあっちこっちと行ってみたい。

アッピア街道を歩き、コロッセウムの前に立ち、ポンペイの遺跡を見、
ナポリで海を眺め、ヴェネツィアで「海との結婚」を見て。

あぁ…誰か私に資金をくれっ!