ドキドキ

旦那「聞いて見ましたか?」
私「まだだけど…」
旦那「電話したら?」
私「サーシャ(旦那のこと)がすればいいじゃん」

昨晩の我が家の会話である。どちらが電話するかで20分くらい
すったもんだしていた。

ふたりでやきもきしていたのは、2番目の姪の高校受験の合格
発表だ。昨日がその日だった。

仕事の休憩時間に何度か携帯電話を取り出し、妹か姪本人に
電話しようとしたのだが出来なかった。

だって、だって…。よくない結果だったら聞くのが気の毒だった
からさ。

結局、私が電話をすることになった。妹から返って来たのは「合格
した」との言葉。うぅ…自分の高校受験の時よりどきどきしたよ〜。

桜が見事に咲いて、4月からは高校生だ。よかった、よかった。
一安心して気を抜いたら、受話器を置いた私の後ろで旦那が
シャンペンの栓を抜いていた。笑。

放射能を背負って 南相馬市長・桜井勝延と市民の選択』
(山岡淳一郎 朝日新聞出版)を読み始める。

福島第一原発事故による放射性物質の拡散を受け、政府が
同心円で線引きをした避難地域。この線引きによって、
立地自治体でもない南相馬市は市を3分割された。

動画投稿サイトで市と市民の窮状を世界に訴えた桜井市長と、
分断された市民の声で綴るドキュメントだ。

「だが、その土砂と流木の途方もない堆積を、私は「がれき」とは
呼べなかった。泥にまみれた花柄のワンピース、ミッフィーのぬい
ぐるみ。男物のデッキシューズ。どれも、いま、そこにいた人の
温もりと気持ちが残っているようだった。とても無用の瓦や小石
と思えない。」

はっとした。「がれき」。ひと括りにそう言うけれど、そこで生活して
いた人たちが日常使っていたものなんだよな。