終わっちゃいないさ

銭形のとっつぁんが逝ってしまった。アニメ「ルパン三世」の銭形警部の
吹き替えを担当していた納谷悟朗さんが亡くなった。享年83歳。ご冥福
を祈る。合掌。

閑話休題

「寝てるの?」

14時46分、問い合わせも落ち着いているからと思って仕事場で黙祷を
していたら隣の席のスタッフに聞かれた。

あなたじゃないんだから仕事中に居眠りなどしませぬ。私は黙祷中です。
まったく…。

あの日から2回目の3月11日だ。未だ行方不明者の捜索が続いている。
原発事故で立ち入りが制限されたせいで、インフラが復旧出来ずに
戻れない人たちがいる。

大震災と原発事故の後、派遣先へも被災された方からの問い合わせが
増えた。そんななかで唖然としたことがある。

「私も阪神大震災を経験していますっ!」

多分、避難する方からの問い合わせだったのだろう。そう言い放った
スタッフがいた。聞いていて固まった。それ、言うべきことじゃない。

確かにあの震災を経験はしている。話には聞いていた。でも、家が
倒壊した訳でも、避難生活を経験した訳でもないだろう。

「迫真の演技だったでしょう」

言い放った本人は悦に入っていた。私は返す言葉がなかった。
大きな出来事がある時に、人はその心根を見せるものなのだろう。

2年が経って周りを見回してみる。「節電営業中」。そんな張り紙を
した店舗が少なくなった。募金箱がいつの間にか姿を消していた。

そうして、私に出来ることは何だろうと改めて考えてみる。今まで通り、
被災地の生産物を購入すること。募金箱を見つけたら、手元の小銭を
入れること。あの時あったことを記録した本を読むこと。

終わっちゃいないんだよね。震災と津波原発事故の被害は。まだ
まだこれから。長い道のりだ。

『狂った裁判官』(井上薫 幻冬舎新書)読了。

だめだこりゃ。裁判官の仕事については概略は分かるけれど、
書いていることの矛盾に気付いてないのか?

再任拒否されて退官している著者だが、個人攻撃はどうなのかと
思う。時間の無駄遣いしちゃったよ。