女って、弱くてしたたかなんです

いずれは攻撃しようとおもっているだろう。中国軍艦が自衛隊護衛艦
射撃用管制レーダーを照射した。

「つい、うっかり」ではないことははっきりしている。でも、中国外務省は
「知りませんよ。関係機関に聞いて下さい」とのことだ。

おいおい。何の為の外務省だよ。それとも、軍が暴走しているのか?
いずれにしても、喧嘩売ってるよな。安倍ちゃんがこの喧嘩を買わない
ことを祈る。

『ふるあめりかに袖はぬらさじ』(有吉佐和子 中公文庫)読了。

既に持っている作品なのだが、昨年、坂東玉三郎主演の舞台を見た
帰りに新版を購入した。戯曲である。

時は幕末、舞台は横浜の遊郭。吉原から流れて来たおいらんが、好いた
男と添えないことを嘆いて自刃した。その場にいたのは、やはり吉原から
横浜に移って来た芸者のお園。

客を喜ばすために、おいらんの死についてお園が吐いた小さな嘘が
だんだんと大きくなっていって…。というお話。

このお園、その昔は昭和の大女優・杉村春子の当たり役。私はこの
人の舞台の時も何度か観ているので、お園の台詞を読んでいると、
頭の中に杉村春子のお園と、玉三郎のお園が交互に登場した。

おいらんの死を嘆きながらも、それを商売のネタにするお園。
面白ろうて、やがて哀しき物語だ。

併録は『華岡青洲の妻』。こちらも既に小説の方で読んでいるのだが、
戯曲は台詞だけなので、姑と嫁、女ふたりの心の底にあるライバル
心がストレートに分かる分、戯曲の方が怖い。

女は、弱い生き物だけれど、したたかな生き物でもある。