政権後退

国政・地方含めて史上最多得票数で、猪瀬直樹東京都知事
誕生した。そうだろうとは思っていたけれど、やっぱり猪瀬かぁ。

副知事としてはいい仕事をしていたものな。でも、都営地下鉄
東京メトロの統合は都営の赤字をどうにかしてからにしてね。

そして、衆院選。昨夜の選挙報道番組では開票も始まっていないのに、
いきなり自民党圧勝報道だった。そして、その通りになってしまった。

あ〜あ、またもや安倍ちゃん内閣かよ。日本の右傾化決定かぁ。これ
じゃ政権交代ならぬ政権後退だ。

民主党にやらせてみたけど、ダメだったから自民党って感じなんだよね。
3年前の政権交代の時と一緒で、積極的支持ではないと思うな。

それにしても、現役閣僚8人が落選の民主党の大敗は目を覆うものが
ある。バ菅も比例復活だった。

さぁ、組閣だな。安倍ちゃん「どの面下げて」内閣は、どんな顔ぶれに
なるんだろうか。また「お友達内閣」か?

悪の教典 下』(貴志祐介 文春文庫)読了。

分かった。これはサイコ・ホラーでも、ミステリーでもない。ギャグ小説だ。

上巻でも話のほころびはあったが、下巻はさらに酷い。緻密ではない
もの、上巻で描かれている主人公・蓮実の犯行は一応、考えた末に
実行されている。

それなのに、下巻になると考えもなく行き当たりばったり。おいおい、
それでいいのか?って何度思ったことか。

学校内で繰り広げられる犯行の場面も杜撰さばかりが目に付く。
おかしい…。天才的な人たらしで、明晰な頭脳の持ち主じゃ
なかったのか?蓮実って。

しかも終盤は蓮実が犯行に使った猟銃が、蓮実に話しかけるように
なっちゃうし。勿論、脳内会話なんだけどさ。収拾がつかなくなった
のだろうか。

結局、なんで蓮実が次々と犯罪に手を染めたのか分かりませんでした。
途中から笑うしかない展開でした。

昔、『悪い種子』という小説を読んだ。あれは無邪気に見える子供が
主人公で結構怖かったけどな。

サイコものって現実に起こりそうなことをちょっと捻るから怖いので
あって、本書のように「あり得ん」と思わせちゃ怖くも何ともないな。

同じ著者の『黒い家』は怖かった。『青の炎』でちょっと違うと思った。
本書は最終章の「アクノキョウテン」で鼻白んだ。だめだ、こりゃ。