これもまた偏見か

特に何かあった訳でもないのだが、土曜・日曜とばたばたしていて
日記の更新が出来ませんでした。

何をしていたんでしょう、私は。汗。

『人種とスポーツ 黒人は本当に「速く」「強い」のか』(川島浩平 
 中公新書)読了。

この30年、夏季オリンピック陸上男子100m決勝でスタートラインに
立ったの56人は、すべて黒人選手だという。

「黒人は身体能力に優れている」という通説は本当なのかを探ったのが
本書である。

主にアメリカでのスポーツの発展を軸に語られているのだが、奴隷制下の
アメリカでは今とは違い「黒人は身体的にも劣っている」と見られていた。

それがさまざまな分野へ黒人が進出するにつれて、スポーツでの黒人の
活躍が注目を浴びるようになる。

だが、すべてのスポーツで黒人が優れている訳でもない。本書の話から
ははずれるが、私の大好きなウィンター・スポーツでは圧倒的に黒人
選手が少ないのだ。

すぐに思い出せる黒人選手と言えば、スルヤ・ボナリーという女子フィギュア・
スケートの選手だ。フランス代表として日本で開催された長野オリンピックにも
参加した。

フリーの演技で見せたバックフリップ(後方宙返り)には驚かされた。競技で
やっちゃいけないんだけどね。

もし、巷間言われているように、黒人の運動能力がほかの人種より優れて
いるのであれば、種目を問わずに黒人選手が占める割合が多くても
おかしくないんじゃないかな。

でも、現実には限られた種目で目立っているだけなんだよね。

ラソンなどの長距離はアフリカ勢が強いと言われるが、それも一部の
地域に限る。なので、人種云々というより環境要因が大部分を占める
のだろう。

「黒人は身体能力に優れている」。これもまた、一種の偏見なのかも
しれないね。