本気じゃなかった?

人に本を貸すことがままある。先日も東日本大震災関連の本を
貸した。

しばらくして借り手が詫びに来た。バッグの中に一緒にいれていた
ボトル缶コーヒーのふたがしっかりと閉まっておらず、本を汚して
しまった…と。

その本は手元に置いておきたいと思っていたものだった。普通に
読んでいてつた汚れならいいけど、コーヒーのしみか。ちょっと
やっかいかも。

「新しいものを買って返します」

そう言って数週間後、貸した本はそのまま私の元に返って来た。
天にも小口にも、コーヒーの茶色いしみがついている。読むには
支障がないが、このまま本棚に保存するのは嫌だぞ。

書店に同じ物がなかったという。そうかな、私が行く地元の新刊書店
では平積みになっているけど。

本気で「買って返す」気があったのだろうか。それとも口先だけの
お詫びだった?

絶版になっている本ではないし、震災関連の棚には今もあると
思うけど。それに、インターネットの書籍販売サイトでも常に
「在庫あり」と表示されているんだけどね。

しかし、どうしようこの本。いい作品だったから時間を置いて再読
したかったんだけどなぁ。新しいの買うか…。

『戦争ゲーム』(デイビッド・ハルバースタム 講談社)を読み始める。

湾岸戦争は誰の為の戦争だったのか。勝利したのは誰だったのか。
戦争当時に日本向けに書かれたエッセイである。

あ…翻訳が筑紫哲也さんだ。著者も訳者も亡くなっているよ…。