花の都はテロの街

週刊ポストの見出しにやられた。野ダメ首相の衆議院解散宣言を
受けての見出しだ。

自爆テロ解散」

方々で言われている「やぶれかぶれ解散」よりもこっちの方がしっくり
来るな。政権与党もびっくりの解散宣言にはこれがぴったりだね♪

『帝都の事件を歩く 藤村操から2.26まで』(森まゆみ/中島岳志
 亜紀書房)読了。

以前、20代前半の友人とイスラム原理主義者の自爆テロの話をしていた。
「日本じゃテロなんて考えられないですよね」と言う。

え…日本にもテロはあったじゃん。虎ノ門事件とか、浜口首相や原首相の
暗殺事件とか。

クーデターだってあったぞ。2.26事件とかさ。学校で習わなかったかい?

本書は日露戦争後、燃え尽き症候群とも呼んでもよさそうな気持ちを
抱えた青年たちが引き起こした事件の場所を歩きながらの対談集だ。

本郷、江戸川橋、東京駅、隅田川、田端、日本橋、永田町を、東京案内
と言えばこの人、森まゆみを案内役に歩き回っている。

路上対談とは言っているが、事件やその背景の思想形成に関しては
各章の「まとめ」で語られているのが残念。歩きながら話しているのは
建物や風景の話が多かったね。

これ、全部歩きながら話しているのかな。年号とかばんばん出て来るんだ
よね。わたしゃ資料を見なきゃ言えないよ。

「隣の建物に残っているらしいですよ。あ、あった」

なんてのが同じ発言のなかで出てくるのだが、これ、編集の方で移動した
ことの一文を挿入した方がよかったんじゃないか。瞬間移動した訳じゃ
あるまいし。

森さんの東京話は、相変わらず奥が深くて知識が豊富で愛情たっぷり
で楽しい。出来れば、「まとめ」の部分も路上でやって欲しかったな。