男も女も子供も犬も。え、犬?

何度も何度も言われていることが、何故、出来ないのだろうか。
私の学習機能もそれほど優れてはいないが、学習機能自体が
欠如しちゃってるんじゃないか?と思うわ。

注意されても上の空なのか。今月なんて順番に研修があって、
その中で再確認した事例なのにな。

他の人が失敗すると大仰に騒ぐのに、自分のことは相当高い
棚に上げてるようだ。あぁ…疲れる。

『江戸人と歩く東海道五十三次』(石川英輔 新潮文庫)読了。

歩く歩く。水戸の黄門様はお伴を連れて、日本各地を歩き回って
問題解決だ。テレビドラマのお話で、実際の黄門様は違うよう
だけれど。

でも、歩くのだ。だって、自転車も自動車も電車もない江戸時代
なのだもの。移動手段といったら己の足だけなのだ。

馬や駕籠もあるけれど、馬は馬子が手綱を引き歩く。駕籠だって
結局は人が担いで歩くのだ。馬で疾駆しているなんて、白馬に
跨った暴れん坊将軍くらいなのだ。あ…これもテレビドラマか。

そんな江戸時代、人々はどのように旅をしていかのを解説した
のが本書である。

まずは旅の支度から。服装は?旅費は?持ち物は?歩く道の
整備状態は?が前半である。これが滅法面白い。

伊勢参りを例にとって解説しているのだが、大人の男女は
勿論、子供だって家出してお伊勢様を目指すのだ。親も心得た
もので、「うちの子、やりそうだわ」と思ったらこっそり旅費を用意
しておいたとか。

今の世の中じゃありえないよね、家出した子供が何人かで旅行
だなんて。おおらかだったのね、江戸時代って。

しかも伊勢を目指すのは人間だけじゃない。犬だってお伊勢様を
目指すのだっ!なんと信心深い犬なんだ。

後半は江戸日本橋から京都三条大橋までの53の宿の紹介だ。
宿場の図版も豊富で、「よく見ると○○が描かれている」と記され
ているので図版をじっくり見る楽しみも広がる。

各宿場の風俗や特色も書かれており、実用には役立たないけど
当時の旅を知る資料として手元に置いておきたい。

やっぱり自分の足で歩くが「旅」なんだなと思った。移動手段が
多様化した現代では、目的地へ到着するまではあくまでも「移動」
だもの。

こういう本を読むと実際に歩きたくなるんだが、きっと無理だろうな。
日本橋から品川までも歩けないよ。電車に乗ること間違いなしだ。

暇でもお金がなかった学生時代に挑戦しておけばよかった。