子育てには変わりない

久し振りにアメリカ・オバマ大統領を格好いいと思った。ハリケーン
「サンディ」の被災地を視察した際に、「私が約束する」と住民の
肩を抱いて慰めていた。

イメージ戦略だろうけど、こういうのはやられる。先の大震災の
被災者に対し「私が約束する」と言えた政治家はいたか?

避難所を視察に行ってあらかじめ決められた被災者と話しただけで
帰ろうとした時に「もう帰るんですか」と非難された人なら知ってるけど。

自分たちの選挙より、被災地の復興を考えて下さいな。

『産めないから、もらっちゃった!』(うさぎママ メタモル出版)読了。

女性の初産の年齢が高くなっているとか、不妊に悩むご夫婦が増えて
いるとか、妊娠・出産に関係するニュースが年々増えているように思う。

以前、不妊治療の現場を取材させてもらったことがある。あれも結構
過酷なんだよね。着床までは行くけれど、何度か流産した方に話を
聞いた時にはこちらまで泣けて来た。取材者としては失格なんだけど。

子供が欲しいけれど出来ない。不妊治療以外にも手段はある。その
ひとつとして視野に入れたいのが特別養子縁組だ。

本書は24年前に特別養子縁組を行った方のブログの書籍化である。

お子さんが養子だからという意識では読まない方がいいと思う。確かに
養子を迎えるまでの過程や、養子であることをどのタイミングでどのように
伝えるかは書かれているけれど、いかんせん、ほとんどは過去のお話。

養子であろうと実子であろうと、子供を育てることに変わりはない。なので
「子育て経験ブログ」として読んだ。

私にも養子だと明らかにしている友人がいる。彼女を見ていると、親との
相性とかって養子も実子も関係ないように思うのだ。血の繋がった親の
手元で育てられた人でも、親と上手くいかないケースもあるんだしね。

誰もが本書の著者の家庭のようになれるはずもなく、これはひとつの
モデルケースと受け取りたい。

書籍化にあたって加筆されているようだが、元のブログを知らないので
なんとも言えないがいわゆるお笑いの「ノリ突っ込み」が繰り返される
文章は読んでいて萎える。

「うさぎは…」「○○なうさぎ」のような表現にもいささかうんざり。ブログで
更新ごとに少しずつ読むならいいが、書籍としてまとまって読むには
辛かった。

気になったのは単身赴任期間が長かったとはいえ、男親の存在感が
まるで感じられなかったこと。著者だけが子供と接した来たように
錯覚した。

巻末にある特別養子縁組に関する資料と、民間団体へのインタビュー
(著者が行っているものではない)は参考になる。

「養子だから可哀想」。残念ながらそういった偏見は明らかに存在する。
そんな偏見に一石を投じる作品なのかもしれないが、ブログそのまま
ならは書籍にすることもなかろうと思ってしまった。