生と死の狭間での輪舞

休日だというのに朝5時から起きて、洗濯・掃除・布団干しと大忙し。
だって、昨日の天気予報では関東甲信越は昼過ぎに台風が・・・
だったのだもの。

それなのに、昼を過ぎても空は明るい。雲はいっぱい出てたけれど。
あぁ、こんなことなら買い物は午後にすればよかった。

19時26分現在。関東平野は風雨が強くなって来た。明日の未明には
東北地方に抜けるようだ。

うむ、大丈夫か?福島第一原発。4号機って未だ屋根がなかったので
はなかったっけ?

収穫時期のリンゴやお米も心配だ。原発事故の風評被害に加えて
台風被害じゃねぇ。予報がはずれて大きくそれてくれないかなぁ。

闘牛士エル・コルドベス 一九六九年の叛乱』(佐伯泰英 集英社
読了。

スペイン内戦が原因で父を、貧困からの過労と衰弱で母を亡くした
少年は唯一の夢を叶えて闘牛士になった。

母代りだった長姉に家を贈り、自身も夢だったメルセデスを手に入れた。
大農場、セスナ、そのセスナの為の飛行場、自分の名を冠したホテル。

スペイン随一の闘牛士となったエル・コルドベスの半生を描いたのが
『さもなくば喪服を』だったが、本書は「その後」のコルドベスを描く。

著者は財産を投げ打って4年間スペインに滞在し、コルドベスの闘牛を
観戦し、本人にも幾度ものインタビューを行っている。

それなのに、なんで内容に厚みがないのだろう。

副題になっているのは闘牛興行主たちに反旗を翻して、パートナーと
なった闘牛士とふたり、コルドベスが闘牛の自主興行を始めた事件の
こと。

古典的闘牛の様式美を打破し、スペイン全土を熱狂させた闘牛士
叛乱であるのに、さらっっと流しているような印象だ。この部分をもっと
描き込んでもよかったのではないか。

コルドベスの「その後」だったので期待して読んだのだが、『さもなくば
喪服を』があまりにも秀逸だったので肩透かしの感は否めない。

現在、スペインでの闘牛の衰退は著しいという。動物愛護団体からの
批判が大きな原因になっているようだ。

「昔、闘牛という見世物がありました。それはスペインの国技でした。
貧しい少年たちは「光の衣裳」を身につける為、あらゆるチャンスを
ものにしようとしていました」

闘牛が、闘牛士が、そんな風に昔語りになってしまう日が来るのも
近いかも。