アマチュアリズムの集大成

うむ…男子柔道は金メダルなしで終わったか。残念だが勝負事だから
仕方ないね。

さて、ロンドン・オリンピックは陸上競技が始まった。ハンマー投げ
室伏選手は予選を2位で通過だ。

レスリングも始まるし、まだまだ楽しみが残っているぞぉ♪

栄光と狂気 オリンピックに憑かれた男たち』(デイビッド・ハルバースタム
 TBSブリタニカ)読了。

この邦題はどうかと思うが、確かにボート競技の過酷さとオリンピックの
代表の座を賭けた選手たちの闘いには非情なものがある。

本書で取り上げているのは1984年に開催されたロサンゼルス・オリンピック
アメリカ代表を目指す選手とコーチたちだ。

ボート競技も種目がいくつかあるが、目指すはシングル・スカル。それは
誰の指示も受けず、自分で自分と、自身のボートを支配するボート競技の
最高峰。

陸上の有名選手などと違い、テレビ中継ももほとんどされないボート競技。
選手たちにスポンサーがつくこともなく、ボートを漕ぐことが生活の中心に
なる為に安定した仕事にも就けない。

何もかもを犠牲にしてボートに賭ける。その先にあるものはシングル・スカルの
オリンピック・メダリストという称号だ。しかし、そのチャンスを得られるのは
たったひとりだ。

コーチとの軋轢、仲間への強烈な競争心。なんだか日本の女子マラソン
代表ですったもんだがあった時を思い出したぞ。記者会見を開いて
「私を選んで下さい」と訴えた選手がいたな。

本書はオリンピックそのものを描いた部分は少ない。その分、そこへ
辿りつくまでの個々の選手やコーチたちにスポットを当てているのが
興味深かった。

スポーツ・ノンフィクションも上手いよなぁ、ハルバースタムは。